世界的に知られるノルウェーの作家ヘンリック・イプセンの「人形の家」は、ノラが社会の中での役割を強要され、自分自身でいることが許されない古びた生活に決別し、家を出るシーンで終わります。この因習を破るかのような衝撃的な結末で、「人形の家」は作品としての名声を得ることになり、140年以上に渡り、終わりのない物語として観客の記憶に残り続けてきました。
本作品はアメリカの新進気鋭の劇作家ルーカス・ナスが、大胆にもその続編という形で現代に提示した意欲的な新作です。
本作は、「人形の家」のノラが家を飛び出した15年後という設定で描かれ、混沌とした現代社会の中での女性の生き方、現代の家族のあり方を鋭くつきつけました。しかも物語は、5場構成で、各場「ノラ VS 乳母のアンネ・マリー」から「ノラ VS 夫のトルヴァル」へ、さらに「ノラ VS 乳母のアンネ・マリー」そして「ノラ VS 娘のエミー」、最後に「ノラ VS 夫のトルヴァル」というように、2人芝居が連続した形で進行する斬新でスリリングな構成となっています。
「第26回 読売演劇大賞」大賞に輝いた栗山民也が、実力派キャストを迎えて贈る話題作、日本初演!
息をのむスリリングなセリフの応酬、永作博美出ずっぱりの100分勝負!
今回演出を務めるのは、「第26回読売演劇大賞」大賞及び最優秀演出家賞に輝いた栗山民也。受賞作となったPARCOプロデュース「チルドレン」に続き、話題の海外新作にいち早く挑みます。
その栗山が注目のノラ役に指名したのは充実した女優活動を送る永作博美。やはり栗山民也演出の「頭痛肩こり樋口一葉」以来、3年振りの舞台出演に満を持して挑む他、共演陣にも魅力溢れる俳優陣が結集しました。
夫・トルヴァルには、こまつ座や昨年自ら旗揚げした『劇壇ガルバ』での作演出など意欲的な舞台活動が評価される山崎一が、乳母のアンネ・マリーには、存在感のある演技で出演舞台を支え、近年栗山演出作品への出演も多い梅沢昌代が顔を揃えました。
そして、ノラに相対する娘役には、青年座劇場ラスト公演「砂塵のニケ」のヒロインを見事演じた演劇界期待の若手女優・那須凜が抜擢されました。
ノラが15年の時を経て帰って来た理由とは何だったのか…。
人形の家を風刺した洒落た会話劇であるだけなく、2人芝居が連続する斬新なスタイルかつスリリングで見事な構成、サスペンスタッチのセリフの応酬で、「人形の家」を知っている人も知らない人も引き込まれること必至の斬新な舞台。
どうぞご期待ください!
とんでもないことを考えたものです。だって、あの『人形の家』の幕が降りてからの、その15年後のお話なのですから。
昔、井上ひさしさんと雑談していた時、「とっても面白い芝居を思いついたよ」とすごく興奮気味に、「菊池寛の『父帰る』のその後で、『父帰りっぱなし』という題で・・・」と熱く語っていましたが、戯曲は残念ながらボツになったようです。
この作品は、ノラが閉めた家の扉が、再びノラによって開かれるところから始まります。それからの物語の展開は、今はまだ内緒ですが、果たして『ノラ帰りっぱなし』になるのでしょうか。
だけど、今言えることだけは、はっきりと申し上げておきましょう。一日でも早く稽古に入りたいほど面白く、一度読んで大変魅せられた芝居です。嘘ではありません。
「どの面下げて帰って来るんだろう…」
ノラ役 永作博美インタビュー|ぴあ
「何かね、すごく一生懸命なんですよ、ノラって。」
ノラ役 永作博美インタビュー|SPICE
「やっぱりトルヴァルはその傷を15年も引きずっていたんだな」
トルヴァル役 山崎一インタビュー | エンタステージ
「ノラの顔が見たい!と思いました」
永作博美インタビュー|カンフェティ vol.175
「でも、なぜこの⼈は再婚しないのかなって」
山崎一インタビュー【前編】 | RanRanEntertainment
「家族の会話やバトルを楽しんでいただけたらと思います。」
山崎一インタビュー【後編】 | RanRanEntertainment
すべてを捨てて出て行った女が、15年ぶりに語る衝撃の告白!
~『人形の家 Part2』の楽しみ方、教えます | SPICE
「たぶん、本人は戻ってきたくなかっただろうな」
永作博美インタビュー|OZmall
「できることは全部やり切った! と言える自分でいたい」
永作博美インタビュー | 朝日新聞ボンマルシェ
【 text by 北村紗衣 】あの後、何が起こったの?
~『人形の家 Part2』 | SPICE