とある山中。中世のアイルランドを思わせる不思議な土地、そして音楽。
旅行中の聡と真奈美は、霧のために立ち往生し老人の住む山小屋に一夜の宿を求める。だが、不思議な歌と鐘の音を
聞いてしまった二人は、とり憑かれたように老人の話す物語に心を奪われていく。
その物語はずっと昔のこと、この土地を不思議な病が襲ったときのこと。病の症状は人によって違う。指に鳥が止まって
しまう病。天使の羽が生えてしまう病。そんな中でも、もっとも不幸な病に冒された二人がいた。
誰も近づきたがらない醜い容姿となったカビ人間と、思っていることの反対の言葉しか喋れなくなった娘・おさえである。
誰からも愛されない男・カビ人間の美しい心に触れたおさえは、彼に心を開いていく。しかし心惹かれれば惹かれるほどに、おさえの口から出るのはカビ人間への罵倒の言葉。やがてその言葉が、カビ人間を窮地に追い詰めていく
そして老人の話を聞く聡と真奈美も、気がつくとこの不思議な世界の中に入り込んでいく。病を治すのは伝説の剣・ポーグマホーンであることを市長から教えてもらった真奈美はしり込みする聡をひっぱって剣を探す旅にでる。
ポーグマホーンと不思議な歌。そして不思議な鐘の音が合わさった時、悲しくも美しく、そして残酷な奇跡がおきる…