パルコ劇場「新」スタンダードシリーズ第5弾
時代を越え今あらたに、そしてネクスト・ジェネレーションへ

2003年に30周年を迎えたパルコ劇場では30周年企画作品といたしまして、2004年1月にマーティン・シャーマン作『ベント』(鈴木勝秀演出/椎名桔平、遠藤憲一他出演)を公演いたしました。本シリーズといたしまして、2005年には『ドレッサー』(鈴木勝秀演出/平幹二朗、西村雅彦他出演)、『メアリー・ステュアート』(宮本亜門演出/原田美枝子、南果歩出演)、そして2006年11月には『トーチソングトリロジー』(鈴木勝秀演出/篠井英介、橋本さとし他出演)を上演しております。
本シリーズは今後も私たちが伝え続けていきたい作品を、クリエーターとともに新たな息吹を吹き込み、そしてあらたな命を誕生させてまいります。
時代を越え今あらたに、そしてネクスト・ジェネレーションへ・・・。
パルコ劇場の「新」スタンダードシリーズにご期待ください。
『埋められた子供』、『トゥルー・ウエスト』、
そして『パリ・テキサス』、『アメリカ、家族のいる風景』。
ピューリッツァー賞作家、サム・シェパードの無限の想像力を秘める言葉の世界を、今、あなたに。

1983年に作家自身の演出によりブロードウェイにて初演(エディはエド・ハリスが演じた)され、オビー賞のベストプレイ賞と演出家賞を受賞した『フールフォアラブ』。この公演は1000回にも及ぶロングラン公演を果たしております。2006年にはロンドン・アポロシアターにて、メイをジュリエット・ルイスが演じ、話題となりました。パルコ劇場ではスペースパート3にて1986年に根津甚八、松居和代によって上演されており、今回の上演は約20年ぶりとなります。
本作品は1986年、ロバート・アルトマン監督によりサム・シェパード自身の主演、キム・ベイジンガーといったキャストによって映画化もされております。ご存知のとおり、サム・シェパードは映画の脚本も多く手がけており、特に放浪の父親と家族を描いた映画としては『パリ・テキサス』、そして本年公開となった『アメリカ、家族のいる風景』が記憶に新しいでしょう。言葉の持つ無限の想像力を書き出す彼の作品。私たちの記憶の奥底に眠っているものを呼び起こす彼が紡ぎだす台詞には、間違いなく魂を揺さぶられます。
『GO』、『世界の中心で、愛を叫ぶ』、『北の零年』、『春の雪』の
行定勲が舞台初演出にして演劇に真っ向から、立ち臨む!

そんなサム・シェパードの世界をあらたに掘り起こし、今を生きる若者たちへ、感情と感動の拡がりを与えてくれる演出家、それは行定勲です。
2005年は大作『北の零年』、そして最も映画化が困難といわれた三島由紀夫の『春の雪』を素晴しい映像美と三島の世界を見事に今時代に創り上げ、多くの評価を得ました。おそらく、今、サム・シェパードを演出するには彼を置いて他にはいないでしょう。行定自身も敬愛するサム・シェパード、きっとあらたな息吹を与えてくれるに違いありません。
行定勲がこだわり抜いた4人のキャストが挑む
行定勲とともにサム・シェパードの世界を創作するのは、この4人。
エディにはその実力と魅力をあますところなく発揮している香川照之。自分に与えられた役をストイックに、そしてそのキャラクターを熱く脈打たせる演技力は観客を釘付けにすることでしょう。そしてメイには寺島しのぶ。彼女の体当たりの演技は劇場空間に熱いエネルギーをほとばしらせてくれることでしょう。そして二人の人生とは切り離すことのできない老人を大谷亮介、そして、『ガラスの動物園』のジムのようにこの3人の世界の扉をノックするマーティンには元サンシャインボーイズの甲本雅裕、行定勲がこだわり抜いて決めたこの4人の俳優とともにスリリングに熱く、そして滑稽で哀しい人間模様をつくりだしていきます。