三谷幸喜が影響を受けた作家としても有名なRay Cooney(レイ・クーニ-)は、イギリスを代表する喜劇・笑劇作家です。彼の傑作『It runs in the family【イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー】』は、世界各地で上演されており、日本では20年ほど前に加藤健一事務所が『パパ・アイ・ラブ・ユー』(演出:綾田俊樹/出演:加藤健一・角野卓造ほか)の邦題で上演し話題となりました。
2004年にはパルコプロデュースでル テアトル銀座で上演され(演出:山田和也/出演:上川隆也、羽田美智子ほか)、個性的かつ魅力的なキャラクターたちが畳み掛けるようなテンポの展開に巻き込まれ右往左往する様に、客席には大きな笑いの渦が起こりました。終演後には劇場中に〝笑いによってもたらされた幸福感〟が漂い、徹底的に観客を楽しませるためだけに作られたRay Cooney(レイ・クーニ-)の「笑劇」の力が十分に証明されました。
10年経った今、あの〝幸福感〟をまた劇場中に満たしたい、こんなご時世だからこそ劇場という夢の空間で思いっきり笑いにひたってほしい。そんな思いで今秋、パルコ劇場が再び、『It runs in the family【イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー】』に挑みます。
演出は、東宝のグランドミュージカルからシチュエーションコメディまで、確かな演出力で幅広く活躍中の山田和也。志を新たにパルコ劇場プロデュースらしい大人のオシャレな雰囲気を保ちつつ、さらに抱腹絶倒のコメディに仕上げるべく手腕を発揮します。
主演には、パルコ劇場初登場の錦織一清を迎えます。最近では俳優としてのみならず演出家としても活躍中ですが、その知的で情熱的な雰囲気は主人公のエリート医師・デーヴィッドそのものです。嘘に嘘を重ねついには看護師姿(女装)にまでなってしまう主人公・デーヴィッドを熱演します。
デーヴィッドの息子役・レズリーには、やはりパルコ劇場初登場、A.B.C-Zの塚田僚一。ジャニーズ事務所の大先輩・後輩という同じ‘DNA’を持つ二人の息の合った父子をお楽しみに。
デーヴィッドの元愛人で“抱きしめたくなるほど可愛らしい女性”ジェーンに、はしのえみ。エリート医師にふさわしい上品で美しい妻ローズマリーは瀬戸カトリーヌ。デーヴィッドの嘘のせいでとんだ騒動に巻き込まれる同僚の医師ヒューバートに酒井敏也。ヒューバートの優しい母親はお笑いコンビ「ピンクの電話」の竹内都子。混乱した状況をますます混乱に陥れる入院患者ビルには初演から唯一続投の綾田俊樹。役柄ぴったりの、演劇界を代表するコメディアン、コメディエンヌがズラリと揃いしました。どうぞご期待ください!
舞台はロンドン、とある大病院の医師談話室。時はクリスマスの3日前。
医師デ-ヴィッド・モーティマー(錦織一清)は、愛妻ローズマリー(瀬戸カトリーヌ)とともに順風満帆なエリートコースを歩んでいる。そして、約1時間後には権威ある記念講演でのスピーチを控えている。その講演会でのスピーチは、サーの称号を得るほどの名誉ある重責であった。
ところが、そこへ18年ぶりに元・看護婦で昔愛人でもあったジェーン(はしのえみ)が彼を訪ねてくる。実は二人の間には18年前に子どもができており、その息子・レズリー(塚田僚一)も父親を探しにこの病院に来ていると告げる…。
同僚の医師ヒュ-バート(酒井敏也)やクリスマスの余興に夢中の後輩医師のマイク(土屋裕一)、とぼけた病院患者ビル(綾田俊樹)、厳格な婦長(池谷のぶえ)や看護婦(岡村さやか)、はたまたレズリーを逮捕にきた警官(福本伸一)を巻き込んでの大騒ぎ。デーヴィッドはウソにウソを重ねて、医師談話室は大混乱をきたす。更にヒュ-バートの母親(竹内都子)まで現われてますますウソの上塗りが複雑化する。上司サー・ドレイク(俵木藤汰)に更なるプレッシャーをかけられながら、記念講演の時間は迫り・・・。
はたしてデーヴィッドはこの場を切り抜けることができるのか?!
※ It runs in the family『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』
原題の直訳は「そういう血が流れているんだ」=「蛙の子は蛙」「血は争えない」という意味
1965年5月22日生まれ 東京都出身
1985年に少年隊として「仮面舞踏会」でレコードデビュー、圧倒的な歌唱力と身体能力を生かしたパフォーマンスで大きな注目を集め、音楽活動だけでなく、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍する。86年から08年まで毎年『PLAY ZONE』に出演。95年に上演された『KING&JOKER』では、出演だけでなく脚本・演出も務める。さらに、ミュージカル『PLAY ZONE2009太陽からの手紙』(09)で作・演出を、『シー・ラヴズ・ミー』(09)、『デュエット』『恋人たちの神話』(12)、音楽劇『ザ・オザタク』(13・14)、『熱海殺人事件』(13・14)などの舞台で演出を務めるなど、演出家としても高い評価を得ている。近年の主な出演作は、舞台『ローズのジレンマ』(08)、『大川わたり』(09)、『ガイズ&ドールズ』『取り立てやお春』(10)、『熱海殺人事件』(13)など
1986年12月10日生まれ 神奈川県出身
「A.B.C-Z」のメンバーとしてコンサートや舞台『新春滝沢革命』、『滝沢歌舞伎』などに出演、2012年に「A.B.C-Z」のメンバーとしてDVDデビュー。歌だけでなく、ダイナミックでアクロバティックなダンスを得意とし、ライブ活動や舞台を中心に、ドラマ、映画などでも活躍している。主な出演作は、舞台『DREAM BOYS』(06・07・08・09)、少年隊PLAYZONE『Change』(06)、『滝沢歌舞伎』(10)、『少年たち~格子無き牢獄~』(10・11)、『少年たち~Jail in the Sky~』(12)、『ABC座2013 ジャニーズ伝説』(13・14)、映画『劇場版 仮面ティーチャー』(14)、ドラマ『仮面ティーチャー』(13・NTV)、テレビ『ABChanZoo』(13~・TX レギュラー出演中)、『魔法男子★チェリーズ』(14.6~・TX レギュラー出演中)など。
1973年10月23日生まれ 鹿児島県出身
18歳の時、「欽ちゃん劇団」の第一期生となり舞台に立ち、95年から18年間出演したTBS「王様のブランチ」では姫様のキャラクターで人気を博す。04年にNHK大河ドラマ『新選組!』に出演、さらにドラマ『みこん六姉妹』(04・TBS)でドラマ初主演を果たす。明るいキャラクターで、バラエティ番組などでも活躍中。主な出演作は、舞台『江戸の花嫁』(03)、『エキストラ』(06)、『あらん はらん しらん』(09)、『いかん どっかん あっけらかん』(11)、『ほめんな ほれんな とめんな』(14)、ドラマ『天国に一番近い男』(99・TBS)、『独身生活』(99・TBS)、『お見合い結婚』(00・CX)、『新選組!』(04・NHK)、『7人の女弁護士』(06・EX)、『みこん六姉妹』シリーズ(06・08・CBC)、『警視庁捜査ファイル さくら署の女たち』(07・TX)など。
1976年1月5日生まれ フランス・パリ出身
フランス人の父と日本人の母の間に生まれる。女優としてだけでなく、持ち前の明るいキャラクターをいかし『世界 ふしぎ発見!』(TBS・01~)のミステリーハンターなどバラエティ番組にも出演し、マルチな才能で活躍。主な出演作は舞台『オケピ!』(03)、『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~』(04)、『恐れを知らぬ川上音二郎一座』(07)、『ザ・ヒットパレード』(07・09)、『EVIL DEAD~死霊のはらわた~』(09)、三谷版『桜の園』(12)、『ウィズ~オズの魔法使い~』(12)、『吉良ですが、なにか?』(14年11月~12月出演予定)、映画『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』(11)、『清須会議』(13)、ドラマ『芋たこなんきん』(NHK・06~07)、連続人形活劇『新・三銃士』(NHK教育・09~10)など。
1959年5月30日生まれ 岐阜県出身
つかこうへい事務所のオーディションに合格し、ドラマ『弟よ!』(80・CX)でデビュー。初舞台は『熱海殺人事件』(80)でその後つか作品に数多く出演。舞台の他、独特のキャラクターと柔らかな雰囲気で映画、ドラマ、バラエティ番組などでも活躍の場を広げている。主な出演作は、舞台『寝取られ宗介』(81)、『マグダラなマリア』(10・11)、『ロックオペラ モーツァルト』(13)、『本格文學朗読劇 極上文學 第6弾『ドグラ・マグラ』(14)、映画『セーラー服と機関銃』(81)、『太平洋の軌跡-フォックスと呼ばれた男-』『市民ポリス69』(11)、ドラマ『ごくせん2』(05・NTV)、『その男、副署長シリーズ』(07・EX)、『弱くても勝てます』(14・NTV)など。
1971年5月22日生、茨城県出身。
1994年の旗揚げから2004年の解散まで劇団「猫ニャー」(後に「演劇弁当猫ニャー」)に参加。11年に村木仁・市川しんぺーと演劇ユニット「おにぎり」を、13年には村岡希美と演劇ユニット「酒とつまみ」を結成し、現在も活動している。近年の主な出演作に、舞台『風と共に去りぬ』(11/山田和也演出)、『アントニーとクレオパトラ』(11/蜷川幸雄演出)、『マクベス Macbeth』(13/長塚圭史演出)、『窓に映るエレジー』(14/大倉孝二,ブルー&スカイ演出)、映画『しあわせのパン』『悪の教典』『脳男』、TV『高梨さん』(Eテレ)『ワオ』(CX)など。
1961年10月13日生、大阪府出身。
早稲田大学演劇サークルを経て、1984年にラッパ屋の旗揚げに参加。劇団公演以外の近年の主な出演作に、舞台『フラガール』(08/山田和也演出)、『表裏源内蛙合戦』(08/蜷川幸雄演出)、『夢の泪』『夢の痂』(10/栗山民也演出)、『男の一生』(10/蓬莱竜太演出)、『ぼっちゃま』(11/河原雅彦演出)、『ネガヒーロー』(12/入江雅人演出)、『MOON SAGA―義経秘伝―』(12/GACKT演出)、『男嫌い』(13/藤井清美演出)、『秋の蛍』(13/松本祐子演出)、映画『MW―ムウ―』、TVドラマ『おかしな刑事』シリーズ(EX)『芙蓉の人~富士山頂の妻~』(NHK)『ほっとけない魔女たち』(THK)など。
1962年11月29日生、新潟県出身。
早稲田大学在学中の1985年の劇団「木霊」へ参加、95年よりラッパ屋に出演、現在も中心男優として活躍。劇団公演以外の近年の主な出演作に、舞台『LOVE GUN』(10/和田憲明演出)、『飛び加藤』(12/河原雅彦演出)、『クールの誕生』(12/山田和也演出)、『テレビが一番つまらなくなる日』(13/きたむらけんじ演出)、『サギ娘』(13/中島淳彦演出)、『女40歳 肉屋のムスメ』(14/田村孝裕演出)など。映画『MW―ムウ―』『クヒオ大佐』『ガール』、TVドラマ『功名が辻』(NHK)『濃姫II~戦国の女たち』(EX)『極悪がんぼ』『あすなろ三三七拍子』(CX)『ほっとけない魔女たち』(THK)など。
1979年2月6日生、山梨県出身。
2001年に演劇ユニット*pnish*を結成。ユニット公演以外にもドラマ・映画・ナレ-ションと幅広く活躍中。主な出演作に、舞台ではラッパ屋『ブラジル』(09/鈴木聡演出)、東京ヴォードヴィルショー『無頼の女房』(11/中島淳彦演出)、『燕のいる駅』(12/土田英生演出)、ミュージカル『ドリームハイ』(12/増田哲治演出)、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』(13/栗山民也演出)、『一郎ちゃんがいく。』(14/わかぎゑふ演出)など。ほかTVドラマ『美咲ナンバ-ワン!!』(NTV)『海の上の診療所』(CX)、TV『ザ・ノンフィクション』(CX/ナレーション)など。
12月18日生、東京都出身。
東京都立大学卒業。2007年、『レ・ミゼラブル』(ジョン・ケアード演出)で初舞台(09年にも出演)。その他の主な出演作に『青猫物語』(08/山田和也演出)、『Into the Woods』(10/鈴木ひがし演出)、『ジキル&ハイド』(12/山田和也演出)、『しあわせの詩』(12・13/浅井さやか演出)、『Piaf ピアフ』(13/栗山民也演出)、『野の花』(13/中本吉成演出)、『Sign-サイン-』(13/藤倉梓演出)、『Second of Life』(13/上田一豪演出)、『ウレシパモシリ』(14/阿部義嗣演出)、『ひめゆり』(14/ハマナカトオル演出)など。
1962年2月5日生まれ 大阪府出身
1986年 清水よしこと「ピンクの電話」を結成。“みやちゃん”の愛称で、バラエティー番組を中心に活躍。05年より人気アニメ『ドラえもん』(ANB系)のジャイアンのお母さんの声を担当し、ドラマ『家族善哉』(06・TBS)では主演を務めるなど、ジャンルを問わず活動。舞台は、『恐竜と隣人のポルカ』(08)等に出演。また、06年には、パートナーである菅原大吉と夫婦印プロデュースを立ち上げ、二人芝居『満月~平成親馬鹿者物語~』(06)、『月夜の告白』(08)、『月とスッポン』(11)を上演するなど、精力的に活動している。近年の主な出演作は、舞台『OUT』(00・02)、『太陽に灼かれて』(11)、映画『20世紀少年 第一章』(08)、『ハラがコレなんで』(11)、『箱入り息子の恋』(13)、ドラマ『世直し公務員 ザ・公証人』シリーズ(02~09・TBS)、『カーネーション』(11・NHK)、『僕にはまだ友達がいない』(13・NHK)など。
1950年6月13日生まれ 奈良県出身
自由劇場を経て、1976年、旗揚げメンバーの一人として東京乾電池を結成。劇団公演のほか、舞台『竜馬の妻とその夫と愛人』(12)や映画『武士の献立』『飛べ!ダコタ』(13)、ドラマ『ごちそうさん』など、ジャンルを問わず多数出演。また、演出家としても活動しており、舞台『おかしな二人』(91)、『パパ、I LOVE YOU!』『ブラック・コメディ』(94)、『K2』(97)など演出作も多数。主な出演作は、舞台『山の巨人たち』(08)、『夜は短し歩けよ乙女』(09)、『幹事長、出番です!』(11)、『名探偵コナン~殺意の開演ベル』(14)、映画『一遍上人』『任侠ヘルパー』(12)、『真夏の方程式』『飛べ!ダコタ』(13)、ドラマ『深夜食堂』シリーズ(09・11・MBS)、『おひさま』(11・NHK)、『陽だまりの樹』(12・NHK)、『大空港2013』(13・WOWOW)、『ごちそうさん』(14・NHK)など。
はしのえみ
瀬戸カトリーヌ
酒井敏也
池谷のぶえ
福本伸一
俵木藤汰
土屋裕一
岡村さやか
竹内都子
綾田俊樹