2012年に発表された弱小の高校演劇部を舞台に描かれた青春群像小説「幕が上がる」。
この小説にぞっこん惚れ込んだ『踊る大捜査線』シリーズの本広克行が映画を監督、そして舞台を演出します。
弱小演劇部の少女たちが全国大会を目指し、本当の喜び、本当の悲しみ、本当に大切なことに 気づき、
輝いていく青春群像を描いた「幕が上がる」。
主演である演劇部の高校生たちには「今、もっとも輝いている少女たちに演じてもらいたい」という想いからベストキャストを模索した結果、大抜擢されたのが、ももいろクローバーZの5人。
圧倒的なライブパフォーマンス、従来 のアイドルから一線を画すドラマティカルな成長、
そんな彼女達から放たれる輝きが、『幕が上がる』の登場人物に重なり、2015年2月28日にまずは映画にて公開されます。
その映画の公開を受け、今春5月には舞台「幕が上がる」が同じくももいろクローバーZの5人とともに開幕いたします。
映画から舞台へとさらなる彼女たちの成長と輝く姿を舞台で皆様にお届けします。
映画のラッシュを観た平田オリザ氏は「自分が書いた作品なのにずいぶんと泣かされた」とコメントしています。
そして、本広克行は「撮影現場が青春そのものだった」と。
この『幕が上がる』という作品は、「熱いなにか」を呼び覚ましてくれる力があります。
そんな『幕が上がる』の舞台版、また稽古場から劇場で青春がほとばしります!
映画は喜安浩平(『桐島、部活やめるってよ』)氏により脚本化されましたが、舞台は原作者 平田オリザ氏自らの手によって、
舞台の脚本が生み出されます。舞台はこの物語のある部分を掘り下げ、青春物語を紡ぎ出す予定です。
舞台版は小説で描かれている、ある一時に焦点を当て、ドラマを更に掘り下げ、
小説、映画では描かれていない彼女たちの心情を丁寧に描いていきます。
社会でもまれている私たちには あの込み上げてくるような「熱い時」、そして眠ってしまっていた「何か」をふるいおこしてくれるかもしれない。そして同世代の人々へは共感と前へ進むエネルギーを与えてくれる そんな舞台「幕が上がる」の幕が上がります。乞うご期待ください。
関東近郊にある、とある私立高校。
高橋さおりは、そこで演劇部の部長を務めているが、高校演劇大会で地区
大会突破すらもままならない。
ところがある日、学生演劇の女王と呼ばれた美人教師吉岡が副顧問となり、
演劇部の日常は一変。さおり達演劇部は一丸となって、「大会で上位を
目指そう」と決意する。
そして、地区大会を無事通過した彼女たち。彼女たちはいよいよ県大会へ
進むために、さらに稽古に励んでいたのだが・・・・・。
- 原作・脚本:平田オリザ
- 演出:本広克行
- 出演:百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏 (ももいろクローバーZ)、
伊藤沙莉、芳根京子、金井美樹、井上みなみ、多賀麻美、藤松祥子、坂倉花奈 - 美術:土岐研一 照明:佐藤啓 音響:井上正弘 演出助手:草光純太 舞台監督:本田和男
- 主催:Zepp ブルーシアター六本木運営委員会 協力:映画「幕が上がる」製作委員会 企画製作:株式会社パルコ
1962年東京生まれ。劇作家・演出家。
こまばアゴラ劇場芸術監督。劇団「青年団」主宰。東京藝術大学アートイノベーションセンター特任教授。
1983年に青年団を旗揚げ。「現代口語演劇理論」を掲げ、日本人の生活を基点に演劇を見直し、「静かな演劇」と称された1990年代の小劇場演劇の流れをつくる。 1995年『東京ノート』で岸田國士戯曲賞、1998年『月の岬』で読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、2002年『上野動物園再々々襲撃』で読売演劇大賞優秀作品賞、2003年 日韓共同作品『その河をこえて、五月』(新国立劇場制作)で朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。2006年モンブラン国際文化賞受賞。2011年フランス国文化省より芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。フランスを中心に各国との国際共同製作作品を多数上演している。2009年鳩山内閣にて内閣官房参与に就任(2011年9月退任)。近年は大阪大学石黒研究室とのロボット演劇プロジェクトでも注目を集め、最新作のアンドロイド版『変身』(イレーヌ・ジャコブ主演)は、2014年に城崎国際アートセンターのレジデンス・プログラムとして公演を行った。
戯曲以外の著書に、『演劇入門』『話し言葉の日本語』(井上ひさし氏との対談集)『芸術立国論』『演技と演出』『わかりあえないことから??コミュニケーション能力とは何か』『新しい広場をつくる--市民芸術概論幼綱要』など多数。2012年に高校演劇を題材とした発の書き下ろし小説『幕が上がる』を発表。近著に『世界とわたりあうために』。
2013年よりこまばアゴラ演劇学校「無隣館」を開設、2015年2月こまばアゴラ劇場にて、一期生と青年団若手による『南へ』(1990年初演)を公演予定。
劇団サイト http://www.seinendan.org
1965年生まれ。香川県出身。
CM、深夜番組、情報バラエティ、ドラマ、ドキュメンタリー番組の制作や演出を担当後、1996年、映画『7月7日、晴れ』にて劇場デビュー。
2003年に公開された映画『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』では、日本映画(実写)興行収入記録歴代一位の座を獲得。その後も『踊る大捜査線シリーズ』『サマータイムマシン・ブルース』『UDON』等、数々の作品を手掛ける。
2007年演劇プロジェクトFABRICAを立ち上げ演出を担当。2010年平田オリザ原作、岩井秀人脚本、舞台『演劇入門』へ演出参加。
近年はAKB48『Everyday、カチューシャ』PV、
アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』総監督、『攻殻機動隊ARISE border:less project』プロジェクト・プロデューサー、2013年より「さぬき映画祭」ディレクターと活躍は多岐に渡る。ネスレシアターon YouTube のショートムービー『Regret』は300万回再生を超えている。
近作にLIXILブランドシネマ「ほっとファーザー」Nescaféコンセプトシネマ「踊る大宣伝会議 或いは私は如何にして 踊るのを止めてゲームの ルールを変えるに至ったか」の総監督を務めている。
最新作は平田オリザ原作・ももいろクローバーZ主演、映画『幕が上がる』(2015年2月28日全国公開)。
ストリートライブを出発点に活動を開始し、2009年8月に「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもとシングル「ももいろパンチ」でインディーズデビュー。
2010年5月に「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューすると、オリコンデイリーチャート1位、ウィークリーチャート3位を獲得。
10年11月にはキングレコード・スターチャイルドレーベルよりメジャー2ndシングル『ピンキージョーンズ』を発売。メンバーの身体能力を活かしたアクロバティックなダンスや、バラエティタレント顔負けのトークによってライブ会場を盛り上げ、次第に個性的なグループとして頭角を顕すようになっていく。
10年12月24日に日本青年館でグループ史上初のホール単独公演を開催。翌11年3月に3rdシングル『ミライボウル』を発売し、オリコンウィークリーチャート3位を獲得。マスメディアからも注目を集める中で、メンバーの一人である早見あかりが脱退を表明。6人最後のライブとなる11年4月の中野サンプラザ公演で、グループ名を「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」へ改名する。
2011年7月には待望のファーストアルバム『バトル アンド ロマンス』を発表し、オリコンウィークリー3位の成績を残した。11月には6thシングル『労働讃歌』を発売し、同年末には自身初となるさいたまスーパーアリーナでの単独公演「ももいろクリスマス」を成功させる。
2012年2月には『バトル アンド ロマンス』が、第4回CDショップ大賞で大賞を受賞。3月発売のシングル『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』も前作以上の支持を集め、4月には横浜アリーナで2DAYS公演、そして6月には8thシングル『Z女戦争』を発売。
8月には史上最年少での単独西武ドーム公演を行い、会場の37,000人とライブビューイング合わせて合計50,000人を動員した。
同年秋には完全生演奏によるアコースティック・ライブを行い新たな一面を見せた。11月には9thシングル『サラバ、愛しき悲しみたちよ』を発売。世界的ギタリスト布袋寅泰が作曲・編曲を手掛けたこの楽曲は、自身初となる全国区のドラマ主題歌に抜擢され、話題の一作となった。
12月24日・25日には、さいたまスーパーアリーナにて「ももいろクリスマス」2DAYS公演を行い、全国で同時生中継されたライブビューイングを含め、2日間で延べ62,000人を動員。12年末には結成当時からの目標であった、第63回NHK紅白歌合戦に初出場を果たし、翌13年元旦には新たな目標地を国立競技場とすることを発表した。
2013年3月には2ndフルアルバム『5TH DIMENSION』の発売に先駆けて、グループ初となるアリーナツアー「5TH DIMENSION」ツアーを実施。2ndフルアルバムは、自身初となるオリコンウィークリーランキング1位を獲得。同週のオリコンウィークリーランキングの2位には1stフルアルバム『バトル アンド ロマンス』がランクインし、女性グループアーティスト初となるアルバムランキング1、2位の独占を果たした。
アルバムが発売された週末には西武ドームで2DAYS公演を行い、ライブビューイングを含め、2日間で延べ90,000人を動員。8月には国内最大規模の収容人数を誇る日産スタジアムでライブを行い、会場とライブビューイングを合わせて約85,000人のファンを魅了した。
13年9月からは10thシングルと同タイトルの「GOUNN」TOURを全国8カ所で開催。12月には前代未聞の極寒の西武ドーム公演を行い、会場とライブビューイング合わせて65,000人を動員し、目標であった国立競技場でのライブをその場で発表した。
2014年3月に開催された国立競技場でのライブは女性グループ初&史上最速結成6年での開催。2日間で会場110,000人とライブビューイング40,000人合わせて150,000人を動員。7月には日産スタジアム2DAYSライブを開催し、延べ151,606人を動員。
2015年2月28日には、出演映画『幕が上がる』(監督:本広克行、脚本:喜安浩平、原作:平田オリザ)が公開。3月11日には映画の主題歌・挿入歌を収録した14thシングル『青春賦』をリリース。さらに15年上半期には同シングルを第1弾とした、怒涛の3連続シングルリリースを予定している。
それで、実際に彼女たちとワークショップをしたのですが、とにかく元気がよくて積極的だし、勘がよくて吸収も早い。もともと女優さん志望と聞いていただけあって、とても意欲的なワークショップになりました。演劇は映像作品に比べ、俳優さんが考える部分がとても多くなります。そういう演劇の雰囲気や成り立ちみたいなものを体験してもらえたのがよかったです。
この舞台は、映画版を観客全員が観ているとは限らないけれど、結構な数の人が観てもいるだろうという、対象の絞りにくさが難しいところです。でも、演劇の楽しさと、ももクロさんの元気のよさがオーバーラップする作品ですし、台本には同時多発会話といった私のテイストもできるだけ出すことで、それらが上手く融合すればいいなと思っています。
私と、今回演出を担当する本広さんはかねがね、日本の映画は「演技に関する演出をしてこなかったんじゃないか」、「俳優教育はほとんど無きに等しかったのではないか」と話し合ってきました。上手い人は最初から上手いけれども、なかなか伸びない人はそのままずっと伸びない。本広さんは、そこをすごく真剣に考えてきた人。お芝居も本当にたくさん観てますし、うちの稽古場にもしょっちゅう出入りしている。そういう熱心さとか真面目さが、今回の企画につながったのでしょう。
ももクロのファンの方は、ライブはご覧になっていても、生のお芝居を観ることはあまりなかったという方も多いと思う。ですからこの作品でぜひ、新しい世界を体験していただきたい。これは僕自身にとっても新しい挑戦になると思いますので、演劇ファンの方には戯曲、演出も含め、新たな多ジャンルの融合を楽しんでいただければと思います。
舞台化にあたっては、本当に演劇演劇した、こまばアゴラ劇場で上演されていてもおかしくないような演劇をやってみたい、という思いがありました。だから、彼女たちはふだんは歌を歌って、みなさんになにか伝えることが多いと思うんですけど、それは今回一切ありません。ちゃんと稽古期間を取り、しっかりとした、どこから見ても大丈夫な演劇を作りたいと思います。
オリザさんと出会って以降、そのメソッドが染み込んで、僕の演出スタイルも全部変わりました。オリザさんはいつも大きいリュックを背負って、ひょこひょこ世界中を飛び回っているんですが、僕はその飾らない感じを見て「ああいう人になりたいな」とずっと思っていたんです。その雰囲気はなんとなくももクロにも共通している。あの子たちも自分を覆うことをせず、常に普通でいる。だからトップアイドルなんだと思うし、本当にかっこいい。
この舞台には、「演劇って面白いの?」という人に「こういう表現があるんだ」と楽しんでもらえるようにとか、映画版を観た人が「こんなところが映画とつながってるんだ」と発見してもらえるようにとか、いろいろな目的が備わっているんです。演出としては、そこを表現として高いところまで持っていきたいですね。オリザさんも全力で台本を書いてくれると思うので、僕も全力で演出しようと思いますし、さらにももクロが全力投球ですから、きっといい作品になると思っています。