イントロダクション

舞台という戦場で二人の女優が火花を散らす中谷美紀×神野三鈴の共演がここに実現、必見の舞台『メアリー・ステュアート』

1990年に宮本亜門演出 麻実れい×白石加代子で上演し、その後上演を繰り返し、2005年にはパルコ劇場にて南果歩×原田美枝子によって上演されたイタリア人女性作家、ダーチャ・マライーニ作『メアリー・ステュアート』。 パルコ劇場では、10年ぶりに、今、最も輝いてる女優二人 中谷美紀と神野三鈴で上演いたします。 本作品は血なまぐさい宗教戦争と華やかなイギリス・ルネサンス文芸の黄金時代である16世紀に生きたスコットランド女王 メアリー・ステュアートとイングランド女王 エリザベス1世が登場人物。同時代に同じ島の中に生きた二人の女王を描いた作品で、フリードリッヒ・シラーの同名作品の翻案として、イタリア人作家のダーチャ・マライーニが女性の視点からこの二人の女王を主人公に描いた戯曲です。

二人の女優が激しく舞台でぶつかりあい、
あらたな「歴史」が劇場で創り出される瞬間を見逃すな!

この作品の登場人物はメアリー・ステュアートとその乳母、そしてエリザベスとその侍女の4人。しかし、演じるのは2人の女優。メアリーを演じる女優はエリザベスの侍女を、そしてエリザベスを演じる女優はメアリーの乳母を演じます。それはまるで二人の言葉が合わせ鏡のように無限にこだまし、その姿を映し出す万華鏡のように互いの心に響くと同時に、その哀しみや怒り、女として生まれたがための苦しみや喜びが劇場にこだまします。

この大役に挑むのは中谷美紀と神野三鈴。
中谷美紀は、映画・テレビでの活躍はもちろんのこと、2011年にフランソワ・ジラール演出『猟銃』で初舞台にして、紀伊国屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。そして翌年の三谷幸喜演出『ロスト・イン・ヨンカーズ』では、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞するという2本目の舞台にして頂点に立つという快挙を遂げています。そんな中谷美紀が舞台の「三作品目」として選んだのが、この『メアリー・ステュアート』。生後6日目スコットランドの王位を継承し、国や宗教に翻弄されながらも「女」として果敢に生きたメアリー・ステュアートに挑みます。

一方、メアリー・ステュアートと同時代に生き、政治にまつわる男女間の諍いを嫌い、「国家」と結婚をした“ヴァージン・クイーン”エリザベス一世を演じるのは、中谷美紀が今、もっとも共演したかったという神野三鈴。井上ひさし作品に欠かすことのできない女優として活躍し、2012年には三谷幸喜演出『三谷版 桜の園』、栗山民也演出『組曲虐殺』での演技により紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞しています。
 この二人の女優が繰り広げる二人の女王の物語は見ごたえがあり、熱く、そしてスリリングな舞台になること間違いありません。

気鋭のクリエーターが集結し、舞台を華やかに彩る。

演出にはテアトル・ド・コンプリシテでサイモン・マクバーニーとともに舞台を創作していた英国気鋭の若手演出家マックス・ウェブスター。二人の女優が奏でる言葉とともに身体という言語を駆使していきます。美術にはヨーロッパオペラ界で注目のドイツ人デザイナー ジュリア・ハンセン、そして衣装デザインには昨年三谷幸喜「紫式部ダイアリー」で久しぶりに日本に戻ってきたワダエミを迎え、舞台を立体的に彩ります。
 そして、今回の最大の特徴は音楽。リュートの生演奏というヒストリカルな色彩の音色と内田学の「音」が絡み、ひとつの世界を作り出します。内田はWhy Sheep?での活動や、音を禅の作庭術になぞらえたサウンド・アートプロジェクト“枯山水サラウンディング”を立ち上げ、独自の音楽を追求し続け、つねに無二の「音の世界」を創り出す。リュートの音色とともにどんな世界が拡がるのか、胸が高鳴ります。
時代を駆け抜けた二人の女王を描く「メアリー・ステュアート」、どうぞご期待ください。

ダーチャ・マライーニについて

 ダーチャ・マライーニは1936年、イタリアのフィレンツェに生まれた。文化人類学者である父、フォスコ・マライーニの来日に同行し、幼少期の7年を日本で生活する。その後日米が開戦、フォスコがイタリアのファシスト政権を支持しなかったため、敵性国人として末期の2年間を名古屋の収容所で過ごした。
 1946年にイタリアに帰国すると、秘書や写真家助手、ライターなどの仕事を経て、文筆家として主要雑誌に寄稿。1962年、25歳で小説『バカンス』を発表し、同世代の作家、詩人たちと「63年グループ」を結成。
 1968年、世界的なフェミニズムの高まりとともに運動に身を投じ、社会的因習に縛られた女性の視点から小説や戯曲を執筆。また、デモに参加するなど積極的な社会活動を展開し、「怒れる女」と呼ばれ、70年代のイタリア女性運動を代表する存在となる。
 1973年には女性だけの劇団「マッダレーナ」を結成。この頃より神話、歴史上の女性の読み直しを試み、80年に『メアリー・ステュアート』を発表。同作は日本の含む世界22カ国語に翻訳された。
 その後も、81年に『別れてきた恋人への手紙』、90年に『シチーリアの雅歌』などを発表、現在も現役の作家として活動を続けている。
 邦訳作品に『不安の季節』、『バカンス』、『メアリー・ステュアート』、『シチーリアの雅歌』、『帰郷 シチーリアへ』、『イゾリーナ――切り刻まれた少女』、『声』、『別れてきた恋人への手紙』、『おなかの中の密航者』、『思い出はそれだけで愛おしい』がある。

リュートについて

 弦楽器の一種。洋梨状の木製のボディに、ギターと同様に弦が張られたネック部を持つ。中央アジアに起源を持ち、中世からバロック期のヨーロッパで多く用いられた。当初は4つのコースに1本の弦が張られていたが、15世紀には6コースに2本の弦(複弦)が張ったものが登場。ポリフォニー(多声楽曲)を奏でる演奏法の確立により、詩の朗読や祝祭のダンス、演劇の伴奏など、幅広い用途に使用されるようになった。エリザベス女王もリュートをこよなく愛し、お抱えのリュート奏者を雇うとともに、自身も演奏をたしなんだという。その後、音量の小ささなどから衰退し、一時はまったく演奏されなくなるが、20世紀を迎えての古楽復興で、楽器や楽譜が復元された。現在では、世界各国で活発な演奏活動が行われている。楽器本体にも改良が加えられ、さまざまなコース数のリュートが登場。第1コース(旋律弦と呼ばれる単弦が張られる)を除くすべてのコースに複弦を張り、演奏されることが多い。

 「メアリー・ステュアート」では、メアリー・ステュアートとエリザベスⅠ世、時代を駆け抜けた二人の女王の物語を、このリュートの生演奏が鮮やかに彩ります。
どうぞ、リュートの音色にも耳を傾けながらお楽しみください。

ロッソ・フィオレンティーノ作
「リュートを奏でる天使」(1518年)

メアリー・ステュアートとエリザベス1世

解説

一つの島に君臨した二人の女王 スコットランド女王メアリー・ステュアートと、イングランド女王エリザベス1世。メアリーはエリザベスに処刑されたが、二人が実際に出逢うことは一度としてなかった。 メアリー・ステュアートは、生後6日でスコットランドの王位を継承。1558年にフランスのアンリ2世の皇太子・フランソワとの政略結婚でフランス王妃に。しかし、1560年にフランソワが病死すると、翌年スコットランドに帰国。
1565年にはダーンリー卿と再婚。ジェームズを出産するが、夫婦仲は悪化の一途を辿った。そして1567年、ダーンリー卿が殺害されると、その数日後にボスウェル伯と結婚。これに反発した貴族たちの反乱により、メアリーは廃位させられてしまう。
その後、幽閉されていたロッホレーヴン城を脱走したメアリーは、エリザベス1世の元へ落ち延びる。そして自分がイングランドの王位継承者だと主張するが、エリザベス1世暗殺に関与が疑われて、1587年に処刑された。 一方、25歳でイングランド女王となったエリザベス1世は、政治に絡む男女関係を嫌い、一生結婚をしないことを宣言。「処女王(Virgin Queen)」と呼ばれた。
男子を生まなかった母が父ヘンリー8世に処刑されたため、エリザベスは2歳のときに私生児とされた。父の死後、異母弟エドワード6世と異母姉メアリ1世の治世でも、数度にわたり謀反を疑われロンドン塔に幽閉されている。
だが、1558年にメアリ1世が崩御すると王位を継承。宗教改革でカトリックとプロテスタントの争いを終結させる。そして1588年にはスペイン無敵艦隊を撃破。海外進出が容易になり、英国経済は発展を遂げていく。
そしてエリザベスは、父ヘンリー8世の妹マーガレットの血を引く、スコットランド王ジェームズ6世(つまりメアリーの息子)を後継者に指名。イングランドとスコットランドを一つにする同君主連合を成し遂げた。
こうして黄金時代を築いた“良き女王ベス”は1603年、70歳でこの世を去った。
メアリーの処刑執行状に、彼女は最後までサインを拒んだと言われている。

解説

1533年
9月7日エリザベス誕生。
イングランド王ヘンリー八世とアン・ブーリンの子として。
1560年
フランソワ二世死亡。メアリー、スコットランドに戻る。
スコットランドにて宗教改革の中心人物ジョン・ノックス と会う。
日本 桶狭間の戦い
1561年
メアリー、エリザベートにハート型のダイヤモンドの指輪を贈る。
1562年
エリザベス、指輪の御礼に、指輪を贈る。
メアリー、北方山岳地方の領主ハントリーを征伐。
1564年
エリザベス、メアリーに、ロバート・ダドリーを結婚相手に勧める。
ウィリアム・シェイクスピア誕生
1565年
メアリー、ヘンリー七世の曹孫ヘンリー・ダーンリーと結婚。
1566年
ダーンリー、メアリーの寵臣リッチョ惨殺。
メアリー、ダーンリーとの子供ジェームズ(のちのイングランド王ジェ ームズ六世)を出産。
1567年
ダーンリー暗殺される。メアリー、その容疑者・貴族ボスウェルと結婚。それがきっかけとなり、メアリー、スコットランド王位から降ろされ、ジェームズがスコットランド王となる。
1568年
イングランドに逃亡してきたメアリー・ステュアートを幽閉する。
ボスウェルはデンマークに。
1572年
レスター伯ロバート・ダドリー、レティス・ノールズ、ルノ ックス伯爵未亡人と結婚する。聖バルテルミーの夜の惨事(フランスで起こったプロテ スタントの大量虐殺)起こる。
1573年
日本 室町幕府滅亡
1578年
イングランド、オランダ同盟成立
1582年
日本 本能寺の変
1585年
ポーレット、メアリーの看守に。
1586年
バビントンによるエリザベス暗殺計画が発覚する。 
1587年
2月8日メアリー処刑。
1588年
メアリー処刑によりスペインとの関係悪化、英国艦隊、スペインの無敵艦隊を破る。
1590年
日本 豊臣秀吉全国統一
1592年
ヘンリー七世の記述もある『リチャード三世』が発表される。
1595年
『ロミオとジュリエット』が初演される。
1600年
日本 関ヶ原の戦い
1601年
黄金の演説と呼ばれる演説をエリザベス行う。元寵臣 エセックスが反乱を起こす。 『ハムレット』『十二夜』初演される。
1603年
エリザベス3月24日死亡。
エリザベスの指名によりメア リーの息子ジェームズ六世、イングランド王に。スチュアート王朝のはじまり。
1604年
イングランド、スペイン和平締結
1606年
『マクベス』初演。マクベス夫人は、メアリーとエリザベス、二人の女性の存在を示唆するとも言われている
1616年
シェイクスピア没
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メアリー・ステュアート関連作品

MOVIE
1.「エリザベス」
販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ©POLYGRAM FILMED ENTERTAINMENT, ALL RIGHTS RESERVED. 1998年イギリス映画。イングランドの女王として、恋を捨てて生きるエリザベスの姿を、豪華絢爛な衣裳、美術、壮大なロケなどを行なって描いた作品。 第71回アカデミー賞6部門にノミネートされたほか、最優秀メイクアップ賞受賞。主演のケイト・ブランシェットの少女から女王へ変化していく演技には目をみはる。
2.「恋に落ちたシェイクスピア」
販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 「エリザベス」と同じ年に公開され、奇しくも「エリザベス」ではレスター伯を演じているジョゼフ・ファインズがシェイクスピアを演じている。エリザベス役はジュディ・ディンチ。出番は少ないが、存在感の大きさは圧巻で、第71回アカデミー賞助演女優賞を受賞している。
BOOK
3.「オーランドー」ヴァージニア・ウルフ著 杉山洋子訳ちくま文庫
エリザベス女王のお気に入りだった少年オーランドーは両性具有だったというファンタジー。イギリスではミュージカルやオペラにもなり、映画「オルランド」は日本でも公開された。
4.「エリザベスⅠ世 大英帝国の幕開け」青木道彦著 講談社新書
女王として16世紀イングランドに君臨し、宗教戦争や国と国との戦いの中で、祖国の繁栄に尽くしたエリザベスの歴史を解説する。
5.「スコットランド女王メアリ」アントニア・フレイザー著 松本たま訳 中央公論社
イギリスの歴史文学者アントニア・フレイザーの描いたメアリー・ステュアートの伝記。恋に溺れた悪女というメアリー・ステュアートへの見方が多い中、彼女の人生を肯定的な視点で描いている。
6.「断頭台に消えた女王」桐生操著 新書館
女王として生まれながら、幽閉、処刑の身となったメアリー・ステュアートの波乱に富んだ人生を描く。図版も多く、読みやすい。
CAST&STAFF
CAST&STAFF
キャストイメージ

1976年生まれ、東京都出身。93年、TVドラマ『ひとつ屋根の下』(CX)でデビュー。以後、確かな演技力と透明感のある佇まいでTVドラマ、映画で活躍。03年『壬生義士伝』で第27回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、06年『嫌われ松子の一生』で第30回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞、以降も映画賞を多数受賞。また初舞台となった11年のパルコ・プロデュース『猟銃』(USINEC・パルコ劇場他)で第46回紀伊國屋演劇賞個人賞、第19回読売演劇大賞優秀女優賞を、13年のパルコ・プロデュース『ロスト・イン・ヨンカーズ』(パルコ劇場他)のベラ役の演技により、第21回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。15年1月には主演を務めるTVドラマ『ゴーストライター』(CX)の放映、映画『繕い裁つ人』(三島有紀子監督)の公開が控える。近年の主な出演作品に《映画》『リアル~完全なる首長竜の日~』(13/黒沢清監督)、『清須会議』(13/三谷幸喜監督)、『利休にたずねよ』(13/田中光敏監督)、『乾き。』(14/中島哲也監督)《TVドラマ》『花の鎖』(13/CX)、『軍師官兵衛』(14/NHK)、『宮本武蔵』(14/EX)などがある。

1966年生まれ、神奈川県出身。独特の存在感と演技によって舞台のみならず、近年は映像作品にも活動の場を拡げる。中でも井上ひさし作品に欠かすことのできない女優として活躍している。12年にはパルコ・プロデュース『三谷版 桜の園』(12/パルコ劇場他)のワーリャ役及び、こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』(12-13/天王洲 銀河劇場他)の伊藤ふじ子役の演技により、第47回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。15年1月には出演するTVドラマ『アイアングランマ』(NHKBSプレミアム)の放映、2月には出演舞台『三人姉妹』(シアターコクーン他)の上演、5月には出演映画『駆込み女と駆出し男』(原田眞人監督)の公開が控える。近年の主な出演作品に《舞台》『ラヴ・レターズ』(12/パルコ劇場)、『象』(13/新国立劇場)、『太鼓たたいて笛吹いて』(14/紀伊國屋サザンシアター他)、『カッコーの巣の上で』(14/東京芸術劇場他)《映画》『お前と俺』(利重剛監督)《TVドラマ》『Woman』(13/NTV)、『大空港2013』(13/WOWOW)、『おやじの背中』(14/TBS)、『隣のレジの梅木さん』(14/CX)などがある。

演出 マックス・ウェブスター Max Webster
《おもな演出作品》
2015   OPERA HIGHLIGHTS TOUR <Scottish Opera>
2014   TWELFTH NIGHT <Regents Park Open Air Theatre>
2014   MUCH ADO ABOUT NOTHING <The Globe Theatre/UK Tour>
2014   ORLANDO <Royal Exchange Theatre, Manchester>
2013   MY GENERATION <West Yorkshire Playhouse, Leeds>
2013   TO KILL A MOCKINGBIRD <Royal Exchange Theatre, Manchester>
2012   MY YOUNG AND FOOLISH HEART <Royal Exchange Theatre, Manchester>
2012   SKEWERED SNAILS <Iron Oxide & Southbank Centre>
2011   ANNA KARENINA <Arcola Theatre, London>
2010   THE CHALK CIRCLE <Aarohan Theatre, Kathmandu & International tour>
2009   PROSPERO & ARIEL <Workshop: National Theatre Studio>
2009   SENSE <Company of Angels & Southwark Playhouse>
2009   LONGING FOR DARKNESS <Havana Theatre Festival, Cuba & International tour>
2009   CARNIVAL UNDER THE RAINBOW <Hilton Arts Festival, South Africa & National tour>
2008   MUSTARD <Company of Angels & Soho Theatre Studio>
《おもな演出補作品》
2013   THE DOG’S HEART – Dir. Simon McBurney <Complicité / La Scala>
2012   SATURDAY NIGHT, SUNDAY MORNING - Dir. Matthew Dunster <Royal Exchange, Manchester>
2012   TWO - Dir. Greg Hersov <Royal Exchange, Manchester>
2012   DIE ZAUBERFLOTE - Dir. Simon McBurney <Complicité / De Nederlands Opera>
2011   YOU CAN’T TAKE IT WITH YOU - Dir. Paul Hunter <Royal Exchange, Manchester>
2011   EDWARD II – Dir. Toby Frow <Royal Exchange, Manchester>
2011   GANDHI IN SOUTH AFRICA - Dir. Jatinder Verma <Tara Arts (also movement director)>
2010   HIS GHOSTLY HEART – Dir. Hamish Pirrie1 <Bush Theatre, London>
2010   THE DOG’S HEART – Dir. Simon McBurney <Complicité / De Nederlands Opera>
Education
L’Ecole Jacques Lecoq, Paris <Professional Acting Diploma>
L’Ecole Jacques Lecoq, Paris <Set Design>
Trinity College, Cambridge <Degree in English Literature, 1st Class>
セットデザイン ジュリア・ハンセン
Julia Hansen
Born in Hamburg/Germany, is working since 2000 as a freelance set and costume designer for Opera, Theatre and Dance. Recently she worked in London, Wien, Freiburg, Hamburg, Wiesbaden, Helsinki, Essen, Lübeck, Lausanne, Oviedo, Tel Aviv, Cologne, Nancy, Nantes, Bern and Strasbourg.
2001 she won the 1. Price of the European Opera-directing-Competition 2001 (EOP) organized every two years by the Camerata Nuova and the Opera Europa and she realized the winning concept of “Fidelio” (Beethoven) in Wiesbaden for the opening of the Maifestspiele 2002.
Besides she got 2004 the Gudrun-Wassermann-Buschan-Price for set-and costume design from the Freudenberg Stiftung in Mannheim and the Reiss-Engelhorn-Museen Mannheim organized an exposition of her works.
The productions “Il Viaggio a Reims” and “Il Barbiere di Siviglia” in Bern, „Giasone“ in Antwerp and „Platee“ in Strasbourg were nominated for the best set of the year, “Platee” in Strasbourg got the first prize for the best set and costume of the season 09/10 of le Syndicat Professionnel de la Critique.
衣装デザイン ワダエミ
1937年京都市出身。京都市立芸術大学在学中より舞台美術・衣装デザインを手がけ、72年『マルコ』で映画初進出。86年映画『乱』(黒沢明監督)で米アカデミー賞最優秀衣装デザイン賞受賞。93年オペラ『エディップス王』(ジュリー・ティモア演出)で米エミー賞最優秀衣装デザイン賞受賞。オペラ『フェルメールへの手紙』(P・グリーナウエイ演出)、『マダム バタフライ』『トゥーランドット』(F・ゼフィレッリ演出)『アントニーとクレオパトラ』(P・シュタイン演出)『ザ ファーストエンペラー』(チャン イーモウ演出)など世界のオペラハウスで仕事。日本では『毛皮のマリー』(美輪明宏演出)をはじめ、『The Crain Maiden~鶴』(ウィル・タケット演出 2012年3月)など多数の作品に携わっている。2012年中国の「中秋節」と「国憲節」を迎えるために北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」で上演された大型ミュージカル『鳥巣・吸引』ではすべての衣装をてがけた。近作は三谷幸喜作・演出『紫式部ダイアリー』(パルコ劇場 2014年11月)の衣装デザインを手がけている。
サウンドデザイン 内田 学
‘96年にWhy Sheep?名義で1stアルバムをリリースし、国内外のメディアで大きな反響を呼ぶ。その後、世界各国を放浪後‘03年に2ndアルバム『The Myth And i』が日、欧、米と世界発売される。
大型フェスティバルのサマーソニック等、国内外での公演を精力的にこなす一方、数々のリミックスや映画のサントラ、プロデュース等を手がける。
2007年には、音を禅の作庭術になぞらえたサウンド・アートプロジェクト“枯山水サラウンディング"を立ち上げクリエイティヴ・ディレクターを務める。野生の鈴虫の鳴き声をリアルタイムで音響プロセッシングし、生の音楽家たちと即興ジャムをする「蟲聴きの会」シリーズ等のイベントの開催や, 旧フランス大使館で開催されたNo Man's Land展、直近では日本経済新聞社本社ビルでの展示など、様々なパブリック・アート・プロジェクト等でサウンド・インスタレーションを発表する。
2011年3月11日以降、トークイベント"Rm311"を開始する等、アーティストとして音楽活動の領域を超えた復興へのアプローチも行っている。
2014年、シンガーのUAや海外のアーティスト等が参加した集大成ともいえる3rdアルバム「Real Times」をリリース。
http://www.whysheep.net
http://kare-san-sui.com
音楽監督 辻康介
国立音楽大学楽理科卒、同大学音楽研究所研修課程修了。牧野正人、クラウディオ・カヴィーナ、ヴィンチェンツォ・マンノらに声楽を、ディエゴ・フラテッリらに演奏理論を指事、ミラノ音楽院及びミラノ市立音楽院の古楽科で学ぶ。歌手としては1600年頃のイタリア音楽を中心に、様々なジャンルの音楽を歌う。外国語曲は独自訳でも歌う。また、能楽師やジャズミュージシャンなど様々なジャンルのアーティストと共演。「オルフェオの冥界下り」(能楽師安田登構成・演出)とモンテヴェルディ作曲「オルフェオ」(宮城聡演出)のオルフェオ役、中世放浪楽師の音楽パフォーマンスグループ「ジョングルール・ボン・ミュジシャン」(大岡淳演出)、音楽から音環境と社会を問う「都市楽師プロジェクト」、「インヴェンツィオInventio」(ジャズピアニスト黒田京子プロデュース)メンバー。また、古楽を専門とする「南蛮ムジカ」や古楽と様々な音楽を融合させる「ネーモー・コンチェルタートnemo concertato」、「ビスメロVis Melodica」および声楽アンサンブル「ネーモーNemo」といった演奏グループをDaNemo屋号でプロデュースし自ら歌う。音楽理論と音楽実践を繋げる「辻康介の体感音楽史:中世移動ド講座」には様々な受講生が数多く集まっている。
リュート演奏 久野幹史
1980年生まれ、神奈川県出身。リュートを永田平八に師事。現在リュート奏者としてソロ・アンサンブルで、中世〜ルネサンス〜バロックの音楽を始め、音楽ジャンルを越え様々なシーンで活動中。10年、ダ・ヴィンチ展~モナ・リザ25の秘密~にてリュート音源提供。12年、駐日英国大使館で催された“シェイクスピア初版版来日記念レセプション”にてリュート演奏。14年、東京ブックマーク 世界が変わる東京へ 2014夏 TVCMにミュージシャン役として出演。14年、劇場版アニメ「楽園追放-Expelled from Paradise-」サウンドトラックにリュート演奏で参加。シェイクスピア作品の演劇等で音楽監督(リュート演奏/作曲・編曲含む楽曲コーディネート)も行っている。また作曲・編曲ではTVCM、PV等数多くの作品を手がける。日本リュート協会理事。
リュート演奏 笠原雅仁
1973年生まれ、福井県出身。武蔵野音楽大学声楽科にて宮本昭太氏に師事。卒業後は有村祐輔氏のもとで声楽、古典音楽理論を学んだ後、1998年に渡英。ロンドンの英国王立音楽大学、大学院古楽科にてナイジェル・ロジャース、スティーブン・ロバーツの各氏に声楽を、ヤコブ・リンドべルイ氏にリュートを師事。ブロウの「ヴィーナスとアドニス」のアドニス役や、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」などのテノールのソリスト、特に2001年、コベントガーデン・ロイヤルオペラハウス、リンブリー・シアターでの”ミューズィカル・コンパス”公演のオペラ「ダイドーとエネアス」のエネアス役、同年、フランス、サレブール音楽祭での”アンサンブル・エリマ”公演の「オルフェオ」のオルフェオ役では好評を得る。”アンサンブル・エリマ”、”カンタル・ロンターノ”など、フランス内外の主要なバロックオーケストラやアンサンブルなどと共演する他、”アンサンブル・ラ・サラマンドル”のCD「Nova Casa」には歌手、コルネット、テオルボ奏者として参加。RADIO FRANCE, ORF, BBCの為の録音に参加、また、初期バロック音楽を主なレパートリーとするグループ、”アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニ”を主宰するなど、国内外で古楽の演奏活動、研究、および指導にあたっている。