国際空港に近いとある地方都市の商店街。
商店街の会長を務める薬局店主・源造のところへ、ある日外務省の武田という男から電話が掛ってきた。
「そちらの商店街の中にある工房を、フランス特使の奥様とお嬢様が見学なさりたいと言われています…」
工房とは、ひな人形を作っている工房で、主である人形師・島森さんは名人と言われる素晴らしい職人。
特使の奥様からその名人が作る素晴らしいひな人形を、帰国する前に自分の娘へ是非とも見せてあげたいとのお願いを受け、町会長である源造に段取りを付けて欲しいとの依頼だったのだ。
さらに特使の奥様は、そのついでに日本ならではの生活感溢れる商店街も一緒に見学したいと言われているらしい。
活気を失っていた商店街を盛り上げるには持って来いの機会と張り切る源造。
とある事件をきっかけにちょっと盛り下がっている商店街を、これを機会に大いに盛り上げようと源造は、商店街仲間の魚屋・魚勝とアイデアを出し始めるのだが……