童話作家の平川はまったく金に縁のない男。その作品のひねくれへんてこ度のせいでまだ一冊の本も出版できず、新聞配達をなりわいとして尚、創作を続けていた。 そんな彼の作品発表の場は近所にある公園。毎週末には子供達が怪獣公園と呼ぶその公園に集い、自作のへんてこ童話を語って聞かせるのだった。 そんなある日、ふと現れる青年が一人。彼の名はおさむ。自らをサムと名乗る彼は軽度の知能障害と言語障害を持っていた。サムは子供達にまぎれ平川の作品に心を踊らせる。平川はそんなサムとの間に次第に友情を感じ始める。 ある日大学時代の友人で今はディレクターをしている小杉に会いにテレビ局を訪れた平川は、スタッフと間違われたことがきっかけで、女優アキラと出会い、恋に落ちる。やがて平川の作る童話は幸せにあふれ、サムや子供達を心から感動させる物へと変化し始めるのだった。 売れない童話作家がはじめて掴んだチャンス。 しかし、そこには卑劣な罠が待ち受けていた。 どん底まで叩き落とされた作家の身に起こる戦慄の出来事とは? おかしな爆笑童話の世界から、一気に引き込まれる恐怖の波状攻撃! あなたは、最後まで耐えられるか? |