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「アメリカン・バッファロー」(’75年 オビー賞受賞)、「ライフ・イン・ザ・シアター」(’79年)、「グレンギャリー・グレン・ロス」(’84年 ピューリッツァー賞受賞)、「エドモンド」(’85年)、映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす」等、現代の錯綜する人間関係を描かせては、右に出る者のないアメリカ演劇界の鬼才、デイヴィッド・マメット。
作品を発表するたびに世界の注目を集めるデビッド・マメットが、1992年に発表、オフ・ブロードウェイのオーヒューム・シアタ―で一年以上のロングラン上演を記録した後、すぐさま全米四都市で上演されるや、アメリカ中を議論の渦に巻き込んだ問題作。ロンドンでは’93年にハロルド・ピンターの演出により、結末を変えてロイヤル・コート・シアタ―で初演、スマッシュヒットしてウエストエンドに移行し、その後世界中で上演され続けているマメットの代表作です。

クライマックス・シーンで思わず『ブラボー』と拍手する者、ブーイングして席を立つ者……観客を騒然とさせたこの問題作は、新聞の社会面を始め、マスコミがこぞって取り上げる程の話題となり、オフ・ブロードウェイでのロングランを作品は、その年海を越えて飛び火し、世界中で上演されました。ロンドンではマメットの朋友ハロルド・ピンターが演出、パリではキャロル役をシャルロット・ゲ―ンズブールが演ずる等、世界中で注目のキャスト&スタッフにより、現在も上演され続けています。

 日本ではパルコ劇場にて、1994年酒井洋子訳、西川信廣演出、長塚京三×若村真由美の出演で上演、セクシャル・ハラスメントの問題定義もはらんだ問題作と評価され、その年の「読売演劇大賞・優秀作品賞」を受賞、1999年には、長塚京三×永作博美の出演で再演されました。

パルコ劇場の翻訳作品群の中でもエポックメイキング的な名作を、栗山民也を演出に迎え、小田島恒志の新翻訳で装いも新たに上演致します。大学教師役には、TV、映画、舞台に存在感のある演技で定評のある田中哲司。そして女子大生役で、演技派女優として羽ばたく志田未来が本作で満を持して堂々の初舞台を踏むこととなります。どうぞご期待ください!

公演日程:1994年9月12日 (月) 〜9月28日 (水) パルコ劇場
作:デイヴィット・マメット、訳:酒井洋子
演出:西川信廣、出演:長塚京三、若村麻由美
★1994年読売演劇大賞・優秀作品賞受賞
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公演日程:1999年8月6日 (金) 〜8月22日 (日) パルコ劇場
作:デイヴィッド・マメット、翻訳:酒井洋子
演出:西川信廣、出演:長塚京三、永作博美
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昇進を目前に控え、安定した晩年の設計図で頭がいっぱいの大学教師[ジョン]。
 一人の女子学生[キャロル]が彼の研究室を訪れ、授業についていけない、どうか単位を取らせて欲しい、と涙を浮かべて懇願する。彼女を慰めようと、紳士的な態度で相談に応じるジョン。
 しかし後日、キャロルがジョンを“ある理由”で大学当局に訴えたことにより、前途洋々だったはずの彼の未来は打ち壊されていく…。
 言葉を尽くせば尽くすほど深まるディスコミュニケーションの溝。彼女が彼を訴えた“理由”とは?彼は彼女に“何を”したのか?

ジョン(大学教師)・・・40代。若くして終身在職者の権利を得られる日が目前に迫る中、新居の購入のことで妻との電話にも頭がいっぱい。そんな中、ジョンの講義が理解できないという女子学生キャロルが研究室に現れ…

キャロル(女子学生)・・・ジョンの講義を受講している。試験にパスしなければならないが、ジョンの講義が、言葉が理解できないと、切羽詰まった様子でジョンの前に現れる…

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[美術]松井るみ [照明]小笠原 純 [衣裳]黒須はな子 [音響]高橋 巖 
[ヘアメイク]鎌田直樹 [演出助手]坂本聖子 [舞台監督]藤崎 遊
[宣伝美術]有山達也 [宣伝写真]久家靖秀
[プロデューサー]佐藤 玄 [制作]今 絵里子 [製作]井上 肇
[後援]TOKYO FM
[企画・製作]株式会社パルコ

1947年11月30日生まれ
アメリカ合衆国イリノイ州出身の劇作家・脚本家・演出家・映画監督である。現代アメリカ演劇界を代表する劇作家の1人。
 シカゴにてユダヤ系の家庭に生まれる。バーモント州のゴダード・カレッジで学ぶ。在学中から劇団を旗揚げし巡業をしており、その後シカゴのグッドマン劇場の芸術監督も務める。『アメリカン・バッファロー American Buffalo』がシカゴ初演後にオフ・ブロードウェイで上演、オービー賞を受賞してブロードウェイ進出、1977年の演劇評論家賞を受賞するなど彼の名を一躍有名にした。
 そして1983年に『グレンギャリー・グレンロス』をロンドンで初演、ウエスト・エンド演劇協会賞を受賞後、シカゴで上演されピューリッツア賞を受賞。
また、映画界では1981年『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で映画脚本デビュー。1987年『スリル・オブ・ゲーム』で監督デビューを果たした。映画脚本家として、『評決』(1982)、『ワグ・ザ・ドッグ/ウワサの真相』(1997)でアカデミー賞に2度ノミネートされている。
 近年では、ウォルト・ディズニーピクチャーズによって再び映画化される『アンネの日記』の監督・脚本を手がけるほか、キリスト教の7つの大罪を題材にしたドラマ「7 Deadly Sins (米・FOX)の総指揮を手がけている。

〈おもな演劇戯曲作品〉
『カモの変奏曲』(1972)、『アメリカン・バッファロー』(1976)、『エドモンド』(1982)、『グレンギャリー・グレンロス』(1984)、『オレアナ』(1992)

〈おもな映画脚本作品〉
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1982)、『アンタッチャブル』(1987)、『俺たちは天使じゃない』(1989)、『ザ・ワイルド』(1997)、『ハンニバル』(2001)

〈おもな映画脚本・監督作品〉
『スリル・オブ・ゲーム』(1987)、『スパニッシュ・プリズナー』(1997)、『ザ・プロフェッショナル』(2001)、『特捜刑事スパルタン』(2004)

1962年3月17日生、東京都出身。
早稲田大学文学部教授。早稲田大学博士課程、ロンドン大学修士(MA)課程修了。日本英文学会、日本ロレンス協会、日本演劇学会会員。現代イギリス小説と現代英米演劇を専門とし、D.H.ロレンスの小説と戯曲、戯曲翻訳の実際などを研究。また翻訳や戯曲翻訳を多く手掛けている。著書に『ミスター・ビーン』(英潮社)、共著書に『ロレンス文学鑑賞事典』(彩流社)、訳書に『欲望という名の電車』(慧文社)、『コペンハーゲン』(劇書房)、共訳書に『三人姉妹』、『ビューティフル・ボーイ』、『そして、愛する彼女のために』、『Mr.ビーンのらくがき帳』、『ビーン』(以上、河出書房新社)、『シェイクスピアについて僕らが知りえたすべてのこと』、『ファイアベリー』、『もう一日』(以上、日本放送出版協会)、『ニンジャ×ピラニア×ガリレオ』(ポプラ社)、『レイ・クーニー笑劇集』(劇書房)などがある。95年度湯浅芳子賞〈翻訳・脚色部門〉受賞。

〈近年のおもな翻訳戯曲〉
『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』(05/演出:白井晃)、『短篇集 Collected Stories』(05/演出も)、『ヒーロー』(05/演出:加藤健一)、『詩人の恋』(06/演出:久世龍之介)、『CLEANSKINS~きれいな肌』(07/演出:栗山民也)、『ブラックバード』(09/演出:栗山民也)、『ピグマリオン』(13/演出:宮田慶子)、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』(14/演出:山田和也:パルコ劇場)、『THE BIG FELLAHビッグ・フェラー』(14/演出:森新太郎)、『海をゆく者‐The SEAFARER』 (14/演出:栗山民也:パルコ劇場)など。

1953年1月15日生、東京都出身。
早稲田大学文学部演劇学科を卒業後、「芸能座」で小沢昭一氏に師事。その後、木村光一氏の演出助手として数多くの舞台作りに参加、フリーの演出家となる。初演出作品は『ゴドーを待ちながら』(80/紀伊國屋ホール)。昭和63年度文化庁在外研修生としてロンドンに滞在、帰国後は小劇場から大劇場まで、ストレートプレイをはじめミュージカルやオペラまで幅広いジャンルで活躍。00年7月~07年7月、新国立劇場演劇部門の芸術監督を務めた。96年に『GHETTO/ゲットー』の演出で芸術選奨文部大臣新人賞、第30回紀伊國屋演劇賞、第3回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。99年には『エヴァ、帰りのない旅』の演出で毎日芸術賞第1回千田是也賞、第6回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。01年に第1回朝日舞台芸術賞を、05年には『喪服の似合うエレクトラ』で第4回朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。さらに、12年『ピアフ』で芸術選奨文部科学大臣賞、14年には『木の上の軍隊』、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』、『それからのブンとフン』の演出に対して、第39回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞している。13年には紫綬褒章も受賞。著書に『演出家の仕事』(岩波新書)がある。

〈近年のおもな演出作〉
『太鼓たたいて笛ふいて』(02・04・08)、オペラ「蝶々夫人」(05)、『母・肝っ玉とその子供たち』(05)、『箱根強羅ホテル』(05)、『夢の痂』(06)、ミュージカル『MA』(06・09)、『氷屋来たる』(07)、『CLEANSKINS~きれいな肌』(07)、『私はだれでしょう』(07)、『ブラックバード』(09)、『日本人のへそ』(11)、『ピアフ』(12)、『木の上の軍隊』(13)、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』(13)、『それからのブンとフン』(13)、『海をゆく者』(09・14:パルコ劇場)など多数。

1966年2月18日生まれ、三重県出身。
舞台・映画・TVドラマと多岐にわたり出演。
近年のおもな映画出演作に『アウトレイジ ビヨンド』(12/北野武監督)、『そして父になる』(13/是枝裕和監督)、『愛の渦』(14/三浦大輔監督)、『ビリギャル』(15/土井裕泰監督)。ドラマ出演作に、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(14)、『闇の伴奏者』(15・WOWOW)、『ゴーストライター』(15・CX)、『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』(15・TBS)などに出演。舞台では『ザ・キャラクター』(10/野田秀樹演出)、『港町純情オセロ』(11/いのうえひでのり演出)、『浮標』(11・12/長塚圭史演出)、『断色』(13/いのうえひでのり演出)、『冒した者』(13/長塚圭史演出)、『背信』(14/長塚圭史演出)、『RED』(15/小川絵梨子演出)など。

1993年5月10日生まれ、神奈川県出身。
おもな映画出演作に『春の雪』(05/行定勲監督)、『母べえ』(08/山田洋次監督)、『借りぐらしのアリエッティ』(アリエッティの声:09/米林宏昌監督)、『遺体~明日への十日間』(13/君塚良一監督)、『風立ちぬ』(13/宮崎駿監督)など。2006年、主演ドラマ「14才の母」(NTV)で数々の新人賞に輝く。2010年には映画『誰も守ってくれない』で日本アカデミー新人俳優賞を受賞。2015年のおもな出演作に、ドラマ『まっしろ』(TBS)、映画『ST 赤と白の捜査ファイル』(佐藤東弥監督)、『トゥモロー・ランド』(ケイシー役:吹き替え)、『おかあさんの木』(磯村一路監督)など。本作が初舞台となる。