舞台は15世紀のイングランド。
ランカスター家とヨーク家が王位継承を争う薔薇戦争は、エドワード四世(藤木 孝/久保酎吉)の即位と共にヨーク家天下の時を迎えていた。しかしその「平安」に飽き足らぬ男がいた。末弟のグロスター公リチャード(古田新太)である。醜悪な容姿をもって生まれたリチャードは「平安」を憎み、自ら悪党になることを望む。
彼はまずは、“G”が頭文字の人間が、王位継承者を皆殺しにするという「予言」を流布、次兄クラレンス公ジョージ(若松武史)を幽閉し、刺客を送り込み殺害させる。
続いて、敵対するランカスター家先王の葬儀で悲しみに暮れる皇太子未亡人・アン(安田成美)の前にぬけぬけと姿を現す。
アンは父と夫を殺したリチャードに侮蔑の言葉を浴びせる。しかし、アンはリチャードの巧みな甘言に騙され、彼との結婚を承諾してしまう。
王妃エリザベス(久世星佳)とその兄リヴァース伯(天宮 良)、息子ドーセット侯(森本亮治)たちと、かねてから不仲のリチャードがいがみ合う中、その批判の矛先となった先王妃マーガレット(銀粉蝶)は、その場にいる人々に呪いの言葉をかける。エリザベス王妃には孤独な死を,ヘイスティングズ(山本 享)には不慮の死を,リチャードには味方に裏切られての死を。そしてバッキンガム(大森博史)にも,忠告が顧みられないと見ると,いつか悔いると告げる。
病床の王エドワード四世は、王妃一族とリチャードたちとの和解を望み、願いどおり家臣たちは和解を果たすが、赦免の話も出ていたクラレンス公はすでに殺害されたことが明らかになり、処刑命令を取り消したと思っていた国王は衝撃を受け,悔い入りながら、この世を去る。
エドワードの死を嘆き悲しむエリザベスと、その悲しみの生みの親は自分であると、訃報の知らせを嘆き悲しむエドワード四世の母・ヨーク公夫人(三田和代)のもとに現れたリチャードとバッキンガム。彼らは世継ぎとなるエリザベスの息子を迎え入れるにあたり、王子の迎えは少人数の方が良いと進言する。それはあくまでもエリザベス王妃一族から王子をもぎ取るための巧みな口実にすぎなかった。
リチャードの燃える野心はいよいよ止まらなくなり、邪魔になりそうな人間を次々と消していく。
エドワード四世崩御の後、正当な王位継承者である王子エドワードと弟のヨーク公が、戴冠式のためロンドンに戻って来る。
リチャードは甘言を用いてこの幼い兄弟を母エリザベス后から引き離し、ロンドン塔に幽閉してしまう。
その上で、バッキンガム公と策略を巡らせ、ロンドン市長と市民たちに、エドワード四世は先の王の子供ではなく、自分こそが直系である、そして今の王妃エリザベスとの結婚は重婚であり、二人の王子たちも正当な王位継承者ではないと主張する。リチャードは市民に直接訴え、表向きは民主的な方法でまんまと念願の王位を獲得する。
戴冠式を終え晴れて“リチャード三世”となったリチャードは、王位安泰のため更なる策略を巡らす。バッキンガム公には二人の王子たち殺害を命じ、さらに彼は王妃アンが重病で死の床についているとし、エリザベスに彼女の娘との結婚を承諾させる。
リチャードの悪行の策略の数々にこれまで献身的に使えていたバッキンガム公も自らの身の危険を感じ、謀反をおこす。
そんな中、フランスに亡命していたランカスター一族のリッチモンド伯(川久保拓司)は、義父スタンリー卿(榎木孝明)の助言を受けて反旗を翻す。イングランド各地でもリチャードへの反旗が上がり、リチャードの運命は大きく傾いていく。もはやリチャードを信頼している臣下はいない。殺害してきた人々の亡霊にも悩まされる。
そして、ついにリチャードはリッチモンドと闘い、殺される。
リッチモンドはヘンリー七世となり、ここに薔薇戦争が終結する。
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登場人物 |
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リチャード3世 |
古田新太 |
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アン王女 |
安田成美 |
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スタンリー卿 |
榎木孝明 |
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バッキンガム公 |
大森博史 |
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ヨーク公夫人 |
三田和代 |
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マーガレット |
銀粉蝶 |
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王妃エリザベス |
久世星佳 |
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エドワード4世王 |
藤木 孝(12月)、久保酎吉(1月) |
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クラレンス公ジョージ |
若松武史 |
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ヘースティングス卿 |
山本 亨 |
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リヴァース伯 |
天宮 良 |
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ケイツビー |
増沢 望 |
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ラトクリフ |
西川忠志 |
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リッチモンド伯 |
川久保拓司 |
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ドーセット侯 |
森本亮治 |
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イーリーの司教他 |
逆木圭一郎 |
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暗殺者 他 |
河野まさと |
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暗殺者 他 |
村木 仁 |
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ロンドン市長 他 |
礒野慎吾 |
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看守、司令 他 |
吉田メタル |
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ティレル 他 |
川原正嗣 |
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兵士 他 |
藤家 剛 |
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エリザベス(娘役) |
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王子エドワード |
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皇太子ヨーク |
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