『浮雲』から9年、『悪戯』から4年…。岩松了と小林薫がユニットを組んで行う舞台の第3弾!「タ・マニネ」はそのネーミングにふさわしく、「たまにしか…」というお叱りは覚悟の上。今回は大阪を皮切りに、東京・九州公演を行う予定です。さて、どんな芝居を見せてくれますやら…? |
舞台は或る港町の古びたホテル。
ホテルの経営者はうら若き女(緒川たまき)、支配人(徳井優)は経営者の片腕としてまじめに働いている。そのホテルの時計は常に5分すすんでいる。出航する船に乗り遅れて戻ってくる泊まり客が多いから、それを防ぐためだ。善意のホテルなのである。
今、そのホテルで、ワニの密売が行われようとしている。
買い手は暴力団組長(三谷昇)。組員を二人(荒川良々・岩松了)連れている。
売り手は日系二世のインドネシア人(小澤征悦)。
組長は、ワニ好きの娘のために、特別のワニを買ってあげようとしているのだ。組員の若い方は、その娘と結婚させられようとしている。
そのホテルには今、取材のために泊まりこんでいる小説家(田中哲司)がいる。
そして、そのホテルのフロントでウロウロしている娼婦(片桐はいり)は、その小説家をねらっている。風紀の点で問題なのに、女経営者は娼婦をむげに扱えない。高校時代、バスケット部の先輩だったからだ。おまけに娼婦の息子(佐藤銀平)までウロウロしている。
そんな時、ワニがホテルの部屋から逃げ出し、大騒ぎとなる。経営者と支配人は、困惑し、近所でワニ捕獲員の資格を持っている流しの歌手(小林薫)を呼んだ。彼はみごとワニを捕獲するわけだが、そこに様々な問題が派生していく。
そして、ホテルの5分すすんでいる時計が意外な意味をもってくる。
ああ、その5分前の世界! |
「タ・マニネ」とは、平成7年7月7日に産声を上げた、劇作家・岩松了と俳優・小林薫のプロジェクトです。この不思議なユニット名は、“たまには芝居をやろうね”とのスタンスをかけて名づけられたとも。
第1回は、'95年に風吹ジュンわを招いて上演された『浮雲』(林恵美子原作)。人生に疲れた、行き場のない不満を抱えた人物達を、緊張の途切れないドラマとして展開、独特の岩松ワールドを築きました。
第2回は、'00年に樋口可南子らを招いて上演された『悪戯』。とあるプロダクションに渦巻く、人々の夢や希望や恋心、対する幻滅と絶望と殺意。人の不条理を浮かばせる巧みなセリフの応酬で、その世界観を確固たるものとしました。
4年ぶりの第3回公演、独特の岩松ワールドに挑む個性あふれたキャストが集結しました。
大人計画に所属、独特のおとぼけキャラで人気上昇著しい荒川良々、独自のエッセイ集なども出版する人気女優緒川たまき、映画「ほたるの星」が公開間近、ドラマは「さくら」の桂木先生が記憶に新しい小澤征悦、演劇界の異才、怪優として多くのファンを持つ片桐はいり、演劇集団・円のいぶし銀三谷昇、同じく円の若手佐藤銀平、ZAZOUS THEATERの作品に多数出演、最近では篠井英介ブランチの「欲望という名の列車」のミッチ役が記憶に新しい田中哲司、サカイ引越センターのCMでお馴染みの徳井優。
バラエティに富んだ実力俳優が揃ったこのキャストが、独特の岩松ワールドでどんなドラマを見せるのか、乞うご期待です!
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