ベント ABOUT
ナチスドイツの強制収容所におけるユダヤ人迫害をテーマに数多くの小説、映画や演劇が作られている。
この「BENT(ベント)」という作品は、ナチスドイツの同性愛者の迫害という歴史に埋もれてしまった極めて特異なテーマを扱っている。
 時代は、ナチス政権下のドイツ。その時代のドイツでナチスはユダヤ人を大量虐殺した事実はよく知られている。
しかし、その過酷な時代にもっと過酷な運命を生きた人間たちがいる。
ユダヤ人がダビデの星、つまり黄色い星を胸につけることを強要されていた時代に、胸にピンクの星をつけることを強要された人々がいた。そしてこれこそが最悪だった。黄色い星の人々より酷い扱いを受ける人々、まさに歴史の知られざる事実。
その時代、ピンクの星を胸につけた人々、つまり強制収容所で虐殺された同性愛者は250,000〜300,000人にもおよんだという。

 しかし、この物語はナチス、強制収容所という背景をもちながらも歴史劇ではなく、純粋な愛のドラマである。



「ベント」は1978年にまず朗読形式で上演され、翌年79年に、ロンドンのナショナルシアターでイアン・マッケランの主役で上演され大センセーショナルを巻き起こし、その後、ウェストエンドに移りロングランをし、その年のオリヴィエ賞の最優秀男優賞を獲得した。
1979年12月にはニューヨーク・ブロードウェイでも上演。
リチャード・ギア主演でトニー賞・最優秀作品賞を受賞した。

その後「ベント」は世界35カ国で上演されており、パルコ劇場では1986年に役所広司、高橋幸治の出演で上演されている。

映画「ベント」は1996年にクランクインし、日本でも上映された。
映画化には本作品の熱狂的なファンであるローリングストーンズのミック・ジャガーが大きな推進役となり、この映画にもゲイクラブの主人、グレダ役で出演もしている。
監督はショーン・マサイアス、脚本はマ−ティン・シャ−マン自身。出演はクライヴ・オーエン、ブライアン・ウェバー、イアン・マッケランなどである。



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