母と惑星について、および自転する女たちの記録 | PARCO STAGE

INTRODUCTION

パルコ劇場“クライマックス・ステージ” シーズン2現パルコ劇場での最後の新作舞台!蓬莱竜太の戯曲と栗山民也の演出により立ち上がる、女性4人をめぐる“命”の物語

現パルコ劇場の最後の新作舞台は、09年「まほろば」で岸田國士戯曲賞を受賞し、パルコ・プロデュース作品にもゆかりのある蓬莱竜太と、日本のみならず韓国など国外でも活動の幅を広げている演出家、栗山民也が、パルコ劇場最後の新作舞台のために立ち上げた意欲作です。
普遍的で、それでいてさまざまな色や形をもつ「家族」。蓬莱が女性4人を中心に描く家族の在り方は、特に母と娘という関係にひそんでいる独特の愛憎を浮かび上がらせ、栗山民也の人間への深い洞察力により、悲しくも愛しい「家族」と「女たち」の「生きる」姿と形を描き出します。

ラストを飾るにふさわしい実力派女優4人の豪華競演。

出演者は、パルコ・プロデュース公演にゆかりのある実力派女優4人。パルコ劇場出演作品としては、「オレアナ」(15)で初舞台を踏んだ志田未来が三女役を、「SISTERS」(08)の鈴木杏が次女役を、「夜叉ケ池」(04)の田畑智子が長女役を、そして「君となら」(95・97)「人間風車」(00)「斎藤幸子」(09)「紫式部ダイアリー」(14)と数々のパルコ・プロデュース作品に出演してきた斉藤由貴が母親役を演じます。それぞれ圧倒的な存在感と演技力でクセのある4人の女性をどう演じ、母娘4人の愛憎による闘いがどのように繰り広げられるのか、壮絶な4人のドラマにどうぞご期待ください!!

蓬莱竜太コメント

栗山さんと話をしていく中で、「女性の生き方」「血縁」「神話」など栗山さんから出たキーワードをもとに、母と娘たちの話を書こうと思いました。
海外を放浪する旅に出た3姉妹が亡くなった母の追憶を辿る中で、それぞれが見ていた母親像の違いがあらわになり、初めて知る母親の一面や、それぞれが抱えてきた苦労の違い、母親があえて三姉妹を差別化していたことなどを知って、母親という人物像の答え合わせをしていくイメージです。
また、”生む”というのが今回のテーマの一つでもあり、奔放だった母親を見て自分が母になることに対して混乱する娘たちが、放浪した先に何を見つけ、どう帰るのか、というところも楽しみにしていただければと思います。

STORY

奔放に生き、突然この世を去った母。三姉妹は母親の遺伝子を受け継いでいることに無意識の恐れを抱く。母から娘へ、受け継ぐものと拒むもの。古い自分と決別し、新たなスタートを切ろうとする三姉妹の物語。

突然の母の死からひと月。徹底的に放任され、父親を知らずに育った三姉妹は遺骨を持ったままあてのない旅に出る。
「私には重石が三つ必要なの。」毎日のように聞かされた母の口癖が頭をめぐる。次第に蘇るそれぞれが持つ母の記憶。あの母親は自分たちにとって何であったのか。自分たちはこれからどこに向かえばいいのか…

CAST & STAFF

作 蓬莱竜太/演出 栗山民也/出演 志田未来、鈴木杏、田畑智子・斉藤由貴

[美術]松井るみ [音楽]国広和毅 [照明]小笠原 純 [衣裳]黒須はな子 [音響]井上正弘
[映像]上田大樹 [ヘアメイク]鎌田直樹 [演出助手]田中麻衣子 [舞台監督]榎 太郎
[プロデューサー]佐藤 玄・今 絵里子 [製作]井上 肇
[企画・製作]株式会社パルコ

[宣伝美術] 有山達也 [宣伝写真] 久家靖秀
[宣伝スタイリスト] 井伊百合子 [宣伝ヘアメイク] 廣瀬瑠美

STAFF プロフィール

作:蓬莱竜太 (ほうらい・りゅうた)

1976年生まれ、兵庫県出身。99年に舞台芸術学院の同期生の西條義将と劇団「モダンスイマーズ」を旗揚げ。以降、全劇団公演の作・演出を務める。劇団の代表作に、『デンキ島』三部作、『夜光ホテル』、「死ンデ、イル。」など。劇団外の主な舞台脚本に『時には父のない子のように』、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『第32進海丸』、『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』、『天井』(作・演出)、『赤い城黒い砂』、『ポテチ』(作・演出)、『淋しいのはお前だけじゃない』、『パレード』、『木の上の軍隊』他多数。演出作品に、新国立劇場二人芝居『ブレス・オブ・ライフ』がある。パルコプロデュース作品への舞台脚本は『LOVE30〜女と男と物語〜兄への伝言』、『SHOW STAGE No.1 Triangle〜ルームシェアのススメ〜』、『Triangle Vol.2 〜探し屋ジョニーヤマダ〜』、『ブエノスアイレス午前零時』、同じく作・演出作品に『ハンドダウンキッチン』『正しい教室』(作・演出)、がある。09年に『まほろば』で第35回岸田國士戯曲賞受賞。

演出:栗山民也 (くりやま・たみや)

1953年1月15日生、東京都出身。 早稲田大学文学部演劇学科を卒業後、「芸能座」で小沢昭一氏に師事。その後、木村光一氏の演出助手として数多くの舞台作りに参加、フリーの演出家となる。初演出作品は『ゴドーを待ちながら』(80/紀伊國屋ホール)。昭和63年度文化庁在外研修生としてロンドンに滞在、帰国後は小劇場から大劇場まで、ストレートプレイをはじめミュージカルやオペラまで幅広いジャンルで活躍。00年7月~07年7月、新国立劇場演劇部門の芸術監督を務めた。96年に『GHETTO/ゲットー』の演出で芸術選奨文部大臣新人賞、第30回紀伊國屋演劇賞、第3回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。99年には『エヴァ、帰りのない旅』の演出で毎日芸術賞第1回千田是也賞、第6回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。01年に第1回朝日舞台芸術賞を、05年には『喪服の似合うエレクトラ』で第4回朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。さらに、12年『ピアフ』で芸術選奨文部科学大臣賞、14年には『木の上の軍隊』、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』、『それからのブンとフン』の演出に対して、第39回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞している。13年には紫綬褒章も受賞。著書に『演出家の仕事』(岩波新書)がある。

〈近年のおもな演出作〉

『太鼓たたいて笛ふいて』(02・04・08)、オペラ「蝶々夫人」(05)、『母・肝っ玉とその子供たち』(05)、『箱根強羅ホテル』(05)、『夢の痂』(06)、ミュージカル『MA』(06・09)、『氷屋来たる』(07)、『CLEANSKINS~きれいな肌』(07)、『私はだれでしょう』(07)、『ブラックバード』(09)、『日本人のへそ』(11)、『ピアフ』(12)、『木の上の軍隊』(13)、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』(13)、『それからのブンとフン』(13)、 『海をゆく者』(09・14:パルコ劇場)、『オレアナ』(15:パルコ劇場)など多数。

志田未来(しだ・みらい)

志田未来(しだ・みらい)

1993年生まれ、神奈川県出身。おもな映画出演作に『春の雪』(05/行定勲監督)、『母べえ』(08/山田洋次監督)、『借りぐらしのアリエッティ』(アリエッティの声:09/米林宏昌監督)、『遺体~明日への十日間』(13/君塚良一監督)、『風立ちぬ』(13/宮崎駿監督)など。2006年、主演ドラマ「14才の母」(NTV)で数々の新人賞に輝く。2010年には映画『誰も守ってくれない』で日本アカデミー新人俳優賞を受賞。2015年のおもな出演作に、ドラマ『まっしろ』(TBS)、映画『ST 赤と白の捜査ファイル』(佐藤東弥監督)、『トゥモロー・ランド』(ケイシー役:吹き替え)、『おかあさんの木』(磯村一路監督)など。舞台は昨年の「オレアナ」(15/パルコ劇場)に続き、本作が2本目となる。

鈴木 杏(すずき・あん)

鈴木 杏(すずき・あん)

1987年生まれ、東京都出身。96年テレビドラマ「金田一少年の事件簿」にてデビュー。01年にゴールデン・アロー賞、03年には日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞、12年には『軽蔑』にて高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞するなど、演技派として多数の受賞経験を持つ。近年の主な出演作品に、《TV》NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(14/NHK)、《映画》『ヘルタースケルター』(12/蜷川実花監督)、『さよなら渓谷』(13/大森立嗣監督)、『花とアリス殺人事件』(15/岩井俊二監督)《舞台》『SISTERS』(08/パルコ劇場)、『海辺のカフカ』(14,15/彩の国さいたま芸術劇場)『社長吸血鬼』(14/本多劇場)『星ノ数ホド』(14/新国立劇場)、『元禄港歌~千年の恋の森~』(16/Bunkamuraシアターコクーン)『イニシュマン島のビリー』(16/世田谷パブリックシアター)

田畑智子(たばた・ともこ)

田畑智子(たばた・ともこ)

1980年、京都府出身。映画『お引越』(93/相米慎二監督)でデビュー。00年NHK朝の連続テレビ小説『私の青空』でヒロインに抜擢され、その後『天体観測』(02/KTV)、NHK大河ドラマ『新選組!』(04)『芋たこなんきん』(06/NHK)など多数ドラマに出演。映画『血と骨』(04/崔洋一監督)『隠し剣 鬼の爪』(04/山田洋次監督)では多くの助演女優賞を受賞、05年『ふがいない僕は空を見た』(タナダユキ監督)では第27回高崎映画祭最優秀主演女優賞、第67回毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。おもな舞台出演作に『夜叉ケ池』(04/パルコ劇場)、『9days Queen 9日間の女王』(14/赤坂ACTシアター)『キレイ〜神様と待ち合わせた女〜』(14/Bunkamuraシアターコクーン)『幕末太陽傳』(15/本多劇場)

斉藤由貴(さいとう・ゆき)

斉藤由貴(さいとう・ゆき)

1966年生まれ、神奈川県出身。84年に『週刊少年マガジン』(講談社)第3回「ミスマガジン」でグランプリを受賞。87年に芸術選奨文部大臣新人賞、初主演映画『雪の断章-情熱-』(相米慎二監督)で第10回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞した。さらに88年『恋する女たち』(大森一樹監督)で第11回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、89年『「さよなら」の女たち』(大森一樹監督)、『優駿 ORACIÓN』(杉田成道監督)で第12回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。01年には『空のかあさま』(芸術座)で第27回菊田一夫演劇賞を受賞している。また『スケバン刑事』(EX)や『はね駒』(NHK)などTVドラマでも活躍。その傍ら文筆家として小説、詩、エッセイを発表。さらに歌手として『卒業』や『夢の中へ』などのヒット曲を持つ。近年ではナレーターとしても活躍する。近年の主な出演作品に《TV》『警視庁・捜査一課長3』(14/EX)、『信長のシェフ2』(14/EX)《舞台》『ラストダンス~the musical 越路吹雪~』(12/シアタークリエ他)『紫式部ダイアリー』(14/パルコ劇場)などがある。