『最高の家出』<br>三浦直之×佐久間宣行<br>パンフレット掲載対談 特別公開

『最高の家出』
三浦直之×佐久間宣行
パンフレット掲載対談 特別公開

2024年1月31日(水)

舞台『最高の家出』の作・演出をつとめる、劇団「ロロ」主宰の三浦直之さんと、初期の頃からロロ作品を見続けているTVプロデューサーの佐久間宣行さんによる対談を敢行!
 
今回特別に、対談の模様を一部を抜粋してご紹介いたします。
是非パンフレット本編もお見逃しなく!
 

 
――佐久間さんは、2011年の『グレート・ワンダフル・ファンタスティック』からロロ作品をご覧になっているそうですが、ロロ作品のどういうところに魅力を感じられていますか。
 
佐久間 三浦さんの作品は失った人やものに思いを馳せるところがあって。でも観ていると、失われたはずの人やものが全部ひっくるめて、自分の側にいるみたいな感覚になる。
だから観ている人も自分にとってのそういう存在に思いを馳せるというか。ロロを観ているときにしか開けない、感情の箱があるような感じがする。
そういうものを作れるのが本当に素晴らしくて。
 
三浦 ありがとうございます。僕は別れが人一倍苦手で。ロロを始めてからメンバーが退団するような経験はないんですけど、日々「誰かがいなくなったらどうしよう?」という不安を抱えているんですよね。
ロロで演劇をやるのは、ずっと別れの練習をしているところがあるのかも、と最近思うようになりました。
 
佐久間 すごくグッとくる言葉というか、それを聞いてより作品を理解できる感じがするな。
僕も自分がこれまで失ったものについて考えることがあって、若さや好きだったカルチャー、あと僕は父を亡くしているんですが、さっきも言ったとおりロロの作品は、そうやって失われたものが今も自分の中にあって、自分を形作っていることを感じさせてくれる。
それでつらくなるのではなく、むしろうれしくなるんですよね。
ロロ作品では青春を扱うことが多いし、三浦さんが書くドラマの脚本でも青春を扱うことが多いですよね。
そこで感じるのは、三浦さんの作品自体が青春そのものになっているということ。一度きりで戻ることのない時間を作品自体が体現しているというか。
だからロロも青春の芝居ではなく、芝居が青春そのものになっているように感じるんだと思うんですよ。
 
三浦 映画『サマーフィルムにのって』の監督の松本壮史さんは、僕が大人になって……まあ何歳からが大人なのかって話ですけど(笑)、ロロを始めてから「あ、友達だ」と思える関係になった数少ない一人で。
松本さんと「面白いものを一緒に作れたらいいね」みたいなところからあの映画を作ったんですね。
だから『サマーフィルムにのって』を作ったプロセスと、映画の中身はシンクロしているし、大学時代からずっと一緒の仲間とロロを旗揚げして、今もずっと作品を作っていて。それが佐久間さんがおっしゃるような印象に繋がるのかなと思いました。
 
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――『最高の家出』を作る際も、三浦さんの中には、今おっしゃったような感覚はあったのでしょうか。
 
三浦 いや『サマーフィルムにのって』とは真逆ですね。パルコ・プロデュースで自分の作品をやるプレッシャーの中、どうすればここで面白いものができるか、企画ありきで考えているので。
あとは、時が経つことで僕もメンバーも年を取るし、関係性も動いていきますよね。それは僕が書くものやロロの作品にもダイレクトに反映されていて。
もし僕がロロをやっていなければ、青春の話を書き続けて、そのたびに若い俳優の方々と芝居を作ることもありえたかもしれません。
だけどロロのメンバーも三十歳半ばから四十歳近くになってきたので、ずっと十代の役を演じるのはやっぱりキツいよな、と思って(笑)、それで『いつ高』シリーズを終わりにしたんです。
作品の中身と、メンバーとの関係の変化という現実。そこを往復することは自分でもすごく意識している部分なので。
そして僕は今三十六歳なんですけど、二十代の頃から書いてきた自分の言葉と、今の自分がどこか噛み合ってない感じがしてきているんですね。自分が書く言葉が幼く感じられて、自分自身との間に距離が生まれてきた。
だから『最高の家出』も、どうすれば今の自分に似合う物語が書けるんだろう、みたいなところから考えている部分もあります。
 
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対談の全編は公演パンフレットでお読みいただけます。是非、ご覧ください!
 

 

<プロフィール>

Nobuyuki Sakuma
1975年生まれ、福島県出身。テレビプロデューサー、演出家、ラジオパーソナリティ。テレビ東京在職中より『ゴッドタン』(TX)や『あちこちオードリー』(TX)を手がけ、2019年からラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』のパーソナリティを務める。21年にフリーとなって以降も『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』シリーズ(Netflix)、『LIGHTHOUSE〜悩める2人、6ヶ月の対話〜』(Netflix)、『佐久間宣行のNOBROCK TV』(YouTube)を手がけるなど、幅広く活躍している。

 

 
舞台『最高の家出』東京公演は2024年2月4日(日)より、紀伊國屋ホールにて上演!
>詳細はこちら画像
【公演情報】
パルコ・プロデュース 2024
『最高の家出』
 
作・演出:三浦直之(ロロ)
出演:高城れに(ももいろクローバーZ) 
   祷キララ 東島京
   板橋駿谷 亀島一徳 篠崎大悟 島田桃子 重岡漠
   尾上寛之
  
東京公演:2024年2月4日(日)〜2月24日(土) 紀伊國屋ホール 
高知公演:2024年3月6日(水) 高知県立県民文化ホール オレンジホール 
大阪公演:2024年3月9日(土) 森ノ宮ピロティホール 
香川公演:2024年3月14日(木) レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール 
宮城公演:2024年3月20日(水祝) 仙台電力ホール
北九州公演:2024年3月23日(土) J:COM北九州芸術劇場 中劇場

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