坂本龍一が生前最後に手掛けた舞台作品『TIME』の取材会が行われました。

坂本龍一が生前最後に手掛けた舞台作品『TIME』の取材会が行われました。

2024年3月6日(水)

3月28日(木)新国立劇場 中劇場にて開幕する 舞台作品『TIME』 の取材会が行われ、高谷史郎、田中 泯、宮田まゆみ、石原 淋が一堂に集まり、坂本龍一と共に創り上げた本作品への想いや制作過程などを語っていただきました。(撮影:岡千里)
 
画像
  

高谷史郎(ヴィジュアルデザイン+コンセプト)

 坂本龍一さんと初めてお会いしたのは、90年に大阪で行われた坂本さんのコンサートで、楽屋でご挨拶しました。その時には既にダムタイプの存在を知っていてくださっていました。
 その後、最初に一緒に仕事をしたのが99年の坂本さんの『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』で、映像ディレクションを担当しました。以降、たくさんの作品を一緒に制作しました。最近の作品(「Art Box | Playback 2022」)が、現在(3月11日まで)、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]の「坂本龍一 トリビュート展」で展示されています。
 作品を創作する中で、坂本さんは「始まりもなく、終わりもない。時間に縛られない作品を創りたい」と仰っていました。
 坂本さんと話をしていく中で、時間というテーマや、人間と自然の関係というテーマがでてきました。この作品では、坂本さんが決められた空間のルールはありますが、坂本さんと僕が作ったインスタレーションの中で出演者がどういう反応をするのかは、出演されている人たちに任されていて、そのときその場で起こることが重要だと考えています。
 初演のアムステルダムの会場は昔ガスタンクだった古い巨大な建物で、今回日本で上演するいわゆる「劇場」とは全く異なる空間だったのですが、今回は劇場という空間の中に、田中泯さん、宮田まゆみさん、石原淋さんが存在し、そこで発生する出来事こそが重要で、空間が変わると自ずと変わってくることを、いかに調整していくかが今回自分がやることだと思っています。


田中 泯(ダンサー)

 (オファーは)高谷さんと坂本さんが意見を交わしながらおおよそ舞台の設定ができあがっているところに、舞台に立ってくれないかとお話がありました。
 通常の舞台作りの段取りとはまったく違って、踊る環境ができあがっているところに”ポン”と入ってほしいと言われました。
 坂本さんには「人類になってほしい」と言われ、正直戸惑いはありましたが(坂本さんとの交流の中で)いつかこういう話が来るだろうと思っていました。
 演劇は言葉があってストーリーもあるからお客さんが一体になりますが、この作品はそうではなく、一人一人が自分の知性や感覚で観ていただけるものだと思います。僕は、人が踊りはじめたのはいつ頃なんだろう?と考えていて、坂本さんも同じで、人が”音を楽しい”と思ったきっかけはいつなんだろう?と、考えてこられたので認め合うことができたんだと思います。これらの話はふたりでずっと語れるんです。
 坂本さんから教わったり学んだりしたことがたくさんあります。きっと坂本さんも僕から何かを盗んだのだと思います。
彼から学ぶことはこの先もずっと続くと思っています。


宮田まゆみ(笙奏者)

 坂本さんと高谷さんとYCAM(山口情報芸術センター)のコンサートではじめてお会いして、一緒にお仕事をしました。高谷さんのインスタレーション作品の中での演奏です。その後、今度の作品についてご連絡いただいたときは、またご一緒できることにワクワクしましたが、実際に何をするか、最初はまったく見当がつきませんでした。
 坂本さんが作られた曲を練習し、やり取りする中で、坂本さんがおっしゃっていたのは、「静かに演奏してください」ということでした。水の中を歩きながら演奏するので大変でしたが、とにかく静かに演奏することを心掛けました。普段笙を演奏する際に私は、人間の情緒や喜怒哀楽とは関係がなく、自然や宇宙と交信するようなイメージで演奏しているのですが、そういうところが坂本さんがこの作品の中で私に期待してくださったところでもあるような気がしています。
 坂本さんの作品には物事を俯瞰している姿を強く感じます。本当は坂本さんともっと音楽の話しをゆっくりしたかったなと思っているのですが、坂本さんの音楽を聞いたり、エッセイを読んだり、存在を思い出したりしながらこれからも対話ができるのではないかなと思っています。


石原 淋(ダンサー)

 坂本さんと泯さんは非常に多くの会話をされてきていて、『TIME』だからということはなく日々話されていたことの延長で、日々の思考がこの作品の中に結集しているように思います。
 (出演することは)宮田さんがアムステルダムで演じられたのを会場で観て”たった1つの女性”が舞台の上に存在していらして、すごく美しくて、自分だったらという視線でみていたので、自分がやる事に違和感はありませんでしたが、非常に光栄ですし、緊張しています。
 アムステルダム公演との違いは、今回は日本語で解釈される方がほとんどだと思うので、そこが最大の違いだと思います。坂本さんが厳選された、作品中に出てくる言葉は、こういった言い方は適切ではないかもしれませんが、やはり日本人が1番理解しやすいのではないでしょうか。染み込んでくる感覚があると思います。
 頑張って観るのではなく、解放して観てほしいと思っています。



 
 
【公演情報】
『TIME』 ▶︎公演の詳細はこちら
 
東京公演:2024年3月28日(木) ~ 4月14日(日) 新国立劇場 中劇場
京都公演:2024年4月27日(土) ~ 4月28日(日) ロームシアター京都 メインホール

音楽 + コンセプト:坂本龍一
ヴィジュアルデザイン + コンセプト:高谷史郎
出演:田中 泯 宮田まゆみ 石原 淋

画像


作品ページへ

Attention

Attention

The following pages are about services provided for foreigners who live in Japan.
Foreigners who are not residents may not have access to all services.
Please agree after confirming the following items.

In the following pages, sections without English translations are displayed in Japanese. In such cases, please use a web translation service. Please note that our company is not responsible for the translations and that the translated pages are provided to customers for reference. Descriptions of our content and services conform to the original Japanese text.

Call center services are only available in Japanese. Please note that inquiries in other languages cannot be accommodated.
Please be aware that some of the services we offer may not be available to those living outside Japan

注意和確認

下一頁是外國人的服務。
對於外國非居民,我們將無法提供所有服務。
請確認並同意以下內容。

  • 後續翻譯頁面使用機器翻譯。 因此,翻譯頁面並不總是正確的。
  • 此外,我們對翻譯不承擔任何責任。
  • 翻譯頁面僅供參考,因此日語頁面的內容優先。
  • 呼叫中心僅提供日語服務。 請注意,我們無法回答日語以外的問題。
  • 我們提供的某些服務不適用於非居民。

注意和确认

此后的页面是为外国居民提供的服务。
对于外国非居民,我们将无法提供所有服务。
请确认以下内容并同意。

  • 后续翻译页面使用机器翻译。因此,翻译页面并不总是正确的。
  • 此外,我们不对翻译负责。
  • 翻译页面仅供参考,因此日语页面的内容优先。
  • 呼叫中心仅提供日语服务。请注意,我们无法回复日语以外的查询。
  • 我们公司提供的某些服务可能不适用于非居民。

주의 및 확인 사항

이 페이지는 외국인 거주자를 위한 서비스입니다.
외국인 비거주자 고객님의 경우 제공할 수 없는 서비스가 있습니다.
다음을 확인, 동의하신 후에 이용해주십시오.

  • 이 번역 페이지 내용은 기계 번역을 사용하고 있습니다. 따라서 번역 페이지는 반드시 올바른 내용이 아닐 수 있습니다.
  • 또한 당사는 번역의 결과에 대해 일체의 책임을지지 않습니다.
  • 번역 페이지는 어디까지나 참고를 위한 번역이며 기재된 내용은 일본어 페이지를 준수합니다.
  • 당사가 제공하는 서비스 중 일부는 비거주자 고객이 사용할 수없는 서비스도 있으므로 양해 바랍니다.

ATTENTION(日本語)

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.

Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.

Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur. Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum. Sed ut perspiciatis unde omnis iste natus error sit voluptatem accusantium doloremque laudantium, totam rem aperiam, eaque ipsa quae ab illo inventore veritatis et quasi architecto beatae vitae dicta sunt explicabo.

  • Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.
  • Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.
  • Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur.