【三浦大輔(作・演出)コメント】 『裏切りの街』、再演です。初演の舞台から10年。その間に映像化もされました。執筆していたときは、この作品とこんなに 長くつきあうことになろうとは思いもしませんでした。これほど息の長い作品になったのは、多分、時が流れ、時代が変わろうとも、揺るがない普遍性が『裏切りの街』にはあったからでしょう。人間なんて、とても曖昧で、とてもぼんやりとしていて、『善』と『悪』が行ったり来たりする振り子のように、宙ぶらりんなものなのです。「まあ…いっか」の「まあ…」のとき、一瞬でもためらったなら、その瞬間の人間はとても優しい。この作品を、“何となく”人を裏切ったことのある全ての人に捧げます。
『裏切りの街』の主人公、菅原裕一は僕の分身です。いつも華やかな世界にいる髙木君が、「クズ」にもなり切れない、中途半端極まりない、どうしようもない主人公をどう演じ切ってくれるのか、何だかにやけてしまうくらい、今は、楽しみと期待でいっぱいです。
<三浦大輔/Daisuke Miura>プロフィール1975年生まれ。北海道出身。脚本家・演出家・映画監督・演劇ユニット「ポツドール」主宰。96年、早稲田大学演劇俱楽部10期生を中心に演劇ユニット「ポツドール」を結成。以降全公演の脚本・演出を手掛ける。『愛の渦』(05年初演)で第50回(06年)岸田國士戯曲賞を受賞。10年、THEATER DER WELT2010(ドイツ)に招聘され、初の海外公演「夢の城 ~Castle of Dreams」を上演。翌年に欧州北米ツアーを敢行、12年に東京、京都でも上演し国内外で注目を集めた。ポツドール公演としては、「騎士(ないと)クラブ」(00年)、「身体検査」(01年)、「男の夢」(02年)、「激情」(04年・07年/04年日本インターネット演劇大賞最優秀演劇賞受賞)、「夢の城」(06年・12年海外バージョン)、「恋の渦」(06年・09年再演)、「人間♥失格」(07年)、「顔よ」(08年)、「おしまいのとき」(11年)。劇団公演以外の作品に、青山円形劇場「ザ・シェイプ・オブ・シングス~モノノカタチ~」(11年/作:ニール・ラビュート)、東京芸術劇場「ストリッパー物語」(13年/作:つかこうへい)、アル☆カンパニー「失望のむこうがわ」(14年)、パルコ「母に欲す」(14年)、シアターコクーン「禁断の裸体」(14年/作:ネルソン・ロドリゲス)、東京芸術劇場「娼年」(16年/原作:石田衣良)、シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」(18年)。映画では、溝口真希子と共同監督した自主映画「はつこい」で、ぴあフイルムフェスティバル審査員特別賞を受賞(03年)。その他の脚本・監督作品に「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(10年)、「愛の渦」(14年)、「何者」(16年)、「裏切りの街」(16年)、「娼年」(18年)がある。テレビでは、昨年2019年総監督・脚本をつとめたフェイクドキュメンタリー「人間の証」(CX)が、深夜ながら、評判となった。著書に「人間♥失格 三浦大輔戯曲集」など。
【髙木雄也 コメント】
今回、舞台「裏切りの街」にて、単独初主演をやらせていただける事になりまして、三浦さんに演出してもらえるのが本当に光栄ですし、役者として新しい自分を引き出して下さるのではないかと、今からワクワクしています。
再演で凄くファンも多い舞台で、怖い気持ちもありますが、自分らしくこの作品にぶつかって、楽しみながら演じたいと思います。
<髙木雄也/Yuya Takaki>プロフィール
1990年生まれ。大阪府出身。2007年Hey! S
ay! JUMPのメンバーとしてデビュー。絶大な人気を誇るアイドル・グループの一員として活躍中。デビュー&ファーストコンサートを東京ドームで開催し、オリコンで様々な最年少記録を打ち立てるなど、デビュー当初から第一線を走り続けている。
近年の舞台の出演作に、『薔薇と白鳥』(18年/東京グローブ座他)、『クイーン・エリザベス-輝ける王冠と秘められし愛-』(19年/日生劇場)。主なドラマ出演は、「ごくせん」(08年/日本テレビ)、「私立バカレア高校」(12年/日本テレビ)、「Dr.DMAT」(13年/TBS)、「水球ヤンキース」(14年/フジテレビ)、「孤食ロボット」(17年/日本テレビ)、「FINAL CUT」(18年/フジテレビ)。映画は「ごくせん THE MOVIE」(09年)、「劇場版 私立バカレア高校」(12年)がある。
「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(18年~/テレビ東京)、「いただきハイジャンプ」(15年~/フジテレビ)などバラエティーやラジオでも活躍。
【奥貫 薫 コメント】
今回のお話をいただき、台本を最後まで読ませていただいて、ラストシーンが本当に素敵で、あぁこのシーンを演じてみたいなぁと心が動きました。
作品にとって重要な、とても大きな役で、自分に務まるのか不安もありますが、私の心と体の精一杯で臨みます。
三浦さん、髙木さん、スタッフの方々と共に、観に来てくださる皆様に素敵な物語を届けられるよう、丁寧に稽古を積み重ねていきたいと思っています。
<奥貫 薫/Kaoru Okunuki>プロフィール
1970年生まれ、東京都出身。89年に映画「バトルヒーター」でスクリーンデビュー。その後も数々の映画、ドラマ、CMなど多方面で活躍。近年の主な出演作に、舞台「星回帰線」(16年/蓬莱竜太演出)、「No.9-不滅の旋律-」(18年~19年/白井晃演出)、「渦が森団地の眠れない子たち」(19年/蓬莱竜太演出)、ドラマ「連続テレビ小説 とと姉ちゃん」(16年/NHK)、「トドメの接吻」(18年/日本テレビ)、「義母と娘のブルース」(18年/TBS)、「きのう何食べた?」(19年/テレビ東京)、「螢草 菜々の剣」(19年/NHK)、映画「嘘を愛する女」(18年/中江和仁監督)、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(18年/湯浅弘章監督)などがある。
テレビ朝日系のドラマ「ケイジとケンジ 所轄と地検の24時」(毎週木曜夜9時)に出演中。公開待機作に、「弥生、三月-君を愛した30年-」(3月20日公開/遊川和彦監督)がある。
<萩原みのり/Minori Hagiwara>プロフィール
1997 年生まれ。 愛知県出身。2003年テレビドラマ「放課後グルーヴ」で女優デビュー。近年の主な出演作に、映画「正しいバスの見分けかた」「お嬢ちゃん」「普通は走り出す」(19年)、「転がるビー玉」「37セカンズ」「街の上で」「佐々木、イン、マイマイン」(20年)など。テレビドラマ「I”s(アイズ)」(18年/BSスカパー)、「虫籠の錠前」(19年/WOWOW)。舞台は「遊侠 沓掛時次郎」(16年/新国立劇場)がある。
<米村亮太朗/Ryoutaro Yonemura>プロフィール
1977 年生まれ、熊本県八代市出身。2000 年、演劇ユニット「ポツドール」(主宰:三浦大輔)に出演したことから、以降全作品に出演するポツドールの看板役者。劇団公演外でも三浦作品には欠かせない存在であり、シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」 「禁断の裸体-Toda Nudez Será Castigada-」、パルコ・プロデュース「母に欲す」「裏切りの街」などに出演。また、ほぼ全ての三浦演出舞台で、選曲も担当している。
主な出演作に、主演映画「いっちょんすかん」を含む映画「うつくしいひと」シリーズ(行定勲監督)、「ある優しき殺人者の記録」(白石晃士監督)、「凶悪」(白石和彌監督) 、テレビ「グッド・バイ」(テレビ大阪・BS ジャパン)「監獄のお姫さま」(TBS)、「刑事7人」(EX)、「軍師官兵衛」(ともに NHK)などがある。
<中山求一郎/Kyuichiro Nakayama>プロフィール
1992 年生まれ。 埼玉県出身。2015年、橋口亮輔監督映画「恋人たち」でスクリーンデビュー。主な映画に「何者」(三浦大輔監督/16年)、「止められるか、俺たちを」(18年)、「映画 賭ケグルイ」(19年)、「映像研に手を出すな!」(20年)など。テレビドラマは「フルーツ宅配便」「あなたの番です」(19年)。主な舞台は「ルーツ」(16年)、「Letter2017」(17年)、「100/70sea」「貴方なら 生き残れるわ」(18年)、「ダニーと紺碧の海」(20年)などがある。
<紺野ぶるま/Buruma Konno>プロフィール
1986年生まれ。 東京都出身。日本テレビ「女芸人No.1決定戦―THE W」の17年、18年、19年3年連続ファイナリスト。関西テレビ「R-1ぐらんぷり」の2017年、18年2年連続ファイナリスト。朝日放送「ABCお笑いグランプリ」の2017年ファイナリスト。数多くのバラエティ番組で活躍し、人気を博す。ドラマにも出演するほか、舞台作品の脚本や連載エッセイなども手掛けている。
<村田 秀亮/Hideaki Murata>プロフィール
1979 年生まれ。 宮崎県出身。2002年、久保田かずのぶと「とろサーモン」を結成。
第27回ABCお笑い新人グランプリ 最優秀新人賞、第38回NHK上方漫才コンテスト 最優秀賞を受賞するなど実力派漫才師として活躍。2017年、第13回M-1グランプリでチャンピオンに輝く。俳優としても活動中で、様々な映画、ドラマに出演。主な出演作品は、「火花」(Netflix) 、「プラージュ 」(WOWOW)、日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト「牝猫たち」など。本格的な演劇作品は、今作は初出演となる。