テネシー・ウィリアムズ
略歴
1911年3月26日、アメリカ合衆国ミシシッピー州コロンバスに生まれる。
本名トーマス・ラニアー・ウィリアムズ(姉ローズは1909年生まれ)。
1918年、ウィリアムズ一家はセントルイスに移り住む。
1937年、姉ローズにロボトミーの手術が施されたことを知る。その後彼の存命中ずっと、姉は精神病院への入退院を繰り返す。
1983年2月24日、ニューヨークで死去。
作品歴
1939年 短編「青い子どもたちの原っぱ」が、テネシー・ウィリアムズの名で世に出た最初の作品となる。同年、ニューヨークの劇団、グループ・シアターが開催したアメリカ人作家戯曲コンテストに「太陽とろうそく」「THE FUGITIVE KIND」「SPRING STORM」「ナイチンゲールではなく」の四つの一幕劇を出し、賞金百ドルを獲得した。
1940年 ロックフェラー助成金を得て「BATTLE OF ANGELS」を完成。これは後に『地獄のオルフェ』として書き直された(1959年、『蛇皮の服を着た男』として映画化される)。
1944年 シカゴで『ガラスの動物園』上演、1945年にはニューヨークでも上演され、ニューヨーク・ドラマ・クリティクス賞を受賞(1950年に映画化)。
1947年 ニューヨークで、ジェシカ・タンディとマーロン・ブランド主演、エリア・カザン演出による『欲望という名の電車』が上演され、ニューヨーク・ドラマ・クリティクス賞およびピューリッツア賞を受賞(1949年にはロンドンでも上演、1951年映画化)。
『夏と煙』がマーゴ・ジョーンズの演出によりニューヨークで上演(1952年ロンドンで上演、1961年映画化)(後に『風変わりなナイチンゲール』のタイトルで大幅に改定される)。
1950年 初の小説『ストーン夫人のローマの春 (The Roman Spring of Mrs. Stone)』を出版(1961年映画化<訳注:映画版邦題「ローマの哀愁」)
1951年 『バラの刺青』、モーリン・ステイプルトン、イーライ・ウォラック主演、ダニエル・マン演出によりシカゴのアーランガー劇場で初演、次いでニューヨークのマーティン・ベック劇場で上演(1955年映画化)。
1953年 『カミノ・レアル』、イーライ・ウォラック、バーバラ・バクスレイ主演、エリア・カザン演出によりニューヨークで初演(1957年、ロンドンでピーター・ホール演出により上演)。
1955年 『やけたトタン屋根の上の猫』、バーバラ・ベル・ゲデス主演、エリア・カザン演出によりニューヨークで初演、ニューヨーク・ドラマ・クリティクス賞およびピューリッツア賞を受賞(1958年、ロンドンでピーター・ホール演出により上演、1958年映画化)(<訳注:映画版邦題「熱いトタン屋根の猫」)
1956年 『ベビイ・ドール』(映画)公開。
1957年 『地獄のオルフェ』、モーリン・ステイプルトン主演、ハロルド・クラマン演出によりニューヨークで初演(1959年ロンドン上演)。
1958年 『去年の夏突然に』、ニューヨーク上演(1959年映画化)。
『調整期間(Period of Adjustment)』、ニューヨーク上演(1959年映画化)
1961年 『イグアナの夜』、ベティ・デイヴィス主演、フランク・コルサロ演出によりニューヨークで上演、ニューヨーク・ドラマ・クリティクス賞受賞(1965年ロンドン上演、1964年映画化)
『青春の甘き小鳥』ジェラルディン・ペイジ、ポール・ニューマン主演、1962年公開。テネシー・ウィリアムズがタイム誌の表紙を飾り、同誌に「現存でもっとも偉大な劇作家」と激賞される。
1963年 『牛乳列車はもう止まらない』ニューヨークで上演(1968年ロンドン上演)。
1967年 『二人だけの劇』、ロンドン、ハムステッド劇場で初演。
1968年 『七たび降りるマートル』(『地上の王国』というタイトルでも知られる)、ホセ・キンテーロ演出によりニューヨークで上演。
1969年 『東京のホテルのバーにて』、ニューヨークで上演。
1972年 『小舟注意報』ニューヨークで上演、劇中でテネシー・ウィリアムズ自身が先生役を演じる(1973年ロンドン上演)。
1973年 『叫び』(『二人だけの劇』の改訂版)、ニューヨークで上演。
1975年 二番目の小説『モイーズ』と『テネシー・ウィリアムズ回想録』出版。
1975年 『Red Devil Battery Sign』、アンソニー・クイン主演、ボストンにて上演(1977年ロンドン上演)。
1978年 『ヴュー・カレ』、ニューヨークで上演(1978年ロンドン上演)。
1979年 『A Lovely Sunday for Creve Coeur』、ニューヨーク上演。
1980年 『Clothes for a Summer Hotel』、ニューヨーク上演。
1981年 『Something Cloudy, Something Clear』ニューヨーク上演。
1998年 『ナイチンゲールではなく』、ロイヤル・ナショナルシアターでワールド・プレミア
映画脚本
『ALL GAUL IS DIVIDED』(『A Lovely Sunday for Creve Coeur』の初期バージョン)
『THE LOSS OF A TEARDROP DIAMOND』
『呪い』(同名の短編もある)
『STOPPED ROCKING』
『ベビイ・ドール』(『27 WAGONS』『THE UNSATISFACTORY SUPPER』にも関係)
『紳士の訪問客』(短編『ガラスの少女像』と共に『ガラスの動物園』の原作となった)

※出版された小説の他、詩集二冊、短編集六冊が現在ニュー・ディレクションズ社より『THE COLLECTED STORIES OF TENNESSEE WILLIAMS』として入手可能。