「三十郎大活劇」公演レポート(映画・演劇ジャーナリスト 若林ゆり)

「三十郎大活劇」公演レポート(映画・演劇ジャーナリスト 若林ゆり)

2022年4月7日(木)

「三十郎大活劇」公演レポート(映画・演劇ジャーナリスト 若林ゆり)

 「三十郎大活劇」は戦前から戦中にかけての日本映画界で、映画作りにすべてをかけた映画バカたちを描く青春群像大活劇だ。活劇としてはもちろんだが、個性豊かなキャラクターたち(全員の人物造形が濃い!)が織りなす喜劇としても、時代に翻弄される人々の深い人間ドラマとしても、観どころてんこ盛り。とにかくすごい熱量を持って、観客を夢中にさせてくれる。
 
 映画バカもここまで来りゃ天晴れ、と言いたくなる、主人公の俳優、紅三十郎(役にハマった青柳翔)。衣装を脱いでも破天荒な悪のキャラクターを引きずり続けずにはいられない、不器用で愛すべき大バカ野郎である。幕開けから序盤、この三十郎が大部屋俳優のガンさん(面白さ全開の小倉久寛)や助監督の淳平(器用で芸達者な入野自由)、芸者のおやつ(繊細な横山由依)ら仲間たちと出会い、鼻持ちならない剣劇スターの春之介(精悍で憎めない近藤公園)を出し抜いて悪役スターとして花開くまで、猛スピードで駆け抜ける。「大活劇」を大いに意識したラサール石井の演出は、舞台空間の奥行きとスクリーンを駆使して、まさに大見得を切るよう。スカッと、気持ちがいい。
 
 この痛快な滑り出しから物語が進むにつれ、映画バカたちの愛は窮地に立たされることになる。太平洋戦争が勃発し、大陸に渡った三十郎たちは、プロパガンダ映画の制作を強いられるのだ。
 
 鈴木聡がこの作品を書いたのは、バブル崩壊直後の1994年。時代は変わったが、コロナ禍に苦しまされ、理不尽な戦争が起こっている今だからこそ、心に響くセリフがいっぱい。野暮な時代の波に揉まれながら、一体何を信じ、どう生きればいいのか。登場人物はそれぞれの答えを出すが、この作品は誰のどんな答えも否定しない。ジタバタしながら懸命に生きる人々を抱擁するような温かさが、鈴木聡作品の身上だ。
 
 劇中で、撮影開始時に映画人たちがみんなで唱えるおまじないの文句がある。光とともに消えてしまう映画という意味で、締めの言葉は「ドロンパ」。しかし、本当に「ドロンパ」なのは、何度も見返すことのできる映画より、その瞬間で消えていく舞台なのかも。しかし舞台には、「生」の強みがある。登場人物がスクリーンを蹴破って、観客に心をダイレクトに届けるという、映画にはできない芸当。観客の想像力を使い、創意と工夫で立体的に見せる演出に、グイグイ惹きつけられた。戦火の中、なんとか自分の道を貫こうともがく映画バカたちの姿に、この作品を作っている演劇バカたちの愛と心意気が重なって、目頭がクヮーッと熱くなった。演劇の醍醐味って、これだよなあ。
 
画像
 
  
若林ゆり(わかばやし・ゆり)
映画・演劇ジャーナリスト。女性誌の編集を経て、映画雑誌「プレミア日本版」の編集部へ。この間にクエンティン・タランティーノ監督らと親交を結ぶ。その後、フリーとして独立。劇作家だった父親の影響で幼いころより大の舞台ファンでもあり、演劇関係の取材・執筆も多数。現在、映画.comでコラム「舞台.com」を連載中。
 
 
舞台写真 撮影:御堂義乗

 
「三十郎大活劇」東京公演は4月17日(日)まで、新国立劇場 中劇場にて上演!
東京公演の当日券情報はこちら
 

 
【公演情報】
パルコ・プロデュース
「三十郎大活劇」
 
公演日程:2022年4月2日(土) ~ 17日(日)
会場:新国立劇場 中劇場

作:鈴木聡
演出:ラサール石井
出演:青柳翔/横山由依/入野自由 松平璃子 近藤公園/小倉久寛 他
 



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