舞台をさらに楽しむために~<br>『マヌエラ』が生きた激動の時代を知る Part1

舞台をさらに楽しむために~
『マヌエラ』が生きた激動の時代を知る Part1

2022年11月24日(木)

 24年ぶりに新たな命を吹き込まれ、生まれ変わる舞台『マヌエラ』。宝塚歌劇団月組をトップスターとして牽引してきた珠城りょうの、退団後初主演舞台として話題の今作。そのタイトル『マヌエラ』は、ヒロインである美しきダンサーの名前です。
 
 彼女は明治の終わりに朝鮮に生まれ、度重なる戦下に激動する時代を卓抜したダンスの才能と美貌をもって生き抜いた実在の日本人。本名・和田妙子として波乱の人生を綴った自叙伝「上海ラプソディー~伝説の舞姫マヌエラ自伝~」(2001年刊行 WAC)や、黒柳徹子のトーク番組『徹子の部屋』に出演するなど、07年に亡くなる直前までエネルギッシュに活動されていました。
 
画像
 
 1999年の舞台『マヌエラ』初演時には、公演パンフレットのためのロング・インタビューにもご協力いただき、1938年から46年まで暮らした上海での華麗なる遍歴を、時に往時のダンスも披露しつつお話しくださったのです。
 
 そんな、舞姫マヌエラが生きた時代、彼女がダンサーとしての才能を存分に発揮した上海がどんな場所だったのか、舞台の入口として少しひも解いてみたいと思います。
 
 まずは時代背景について。
 後のマヌエラである旧姓・山田妙子が生まれたのは明治44年(1911)。軽い結核にかかったことから、彼女が母と共に日本に帰ったのが昭和2年(1927)で、この少し前から中国では、孫文(そんぶん)が立ち上げた大衆政党・中国国民党の後継者・蒋介石(しょうかいせき)が、北京を支配する軍閥政府の排除を目指す北伐が始まっています。一時は中国共産党と協力関係を結びますが同じ昭和2年、共産勢力の台頭を警戒した資本家層や外国資本の働きかけに応え、蒋介石は上海で共産党員・労働組合指導者を襲撃する上海クーデターを断行。南京に国民政府を置き、翌昭和3年には北京に入城して軍閥政権を倒し、中華民国を樹立しました。国家主席は蒋介石です。
 
 以降も中国国民党と中国共産党の争いは続き、そのすきに乗じて日本は中国に進出。昭和12年(1937)には日中戦争が始まり、この戦争の長期化から燃料資源を求めて日本は東南アジアにも侵攻します。結果、欧米からの猛烈な反発をくらい、昭和16年(1941)12月に日米開戦。日本は泥沼の太平洋戦争へと踏み込んでしまうのです。
 
 山田妙子が松竹楽劇部の第一期生としてダンサーになり、二度の結婚後に中国の大連を経て上海に渡ったのが昭和13年(1938)。反日感情を募らせる中国で活動するため、当時の後援者のアイデアで彼女は身分を隠し、国籍不明のダンサー=ミス・マヌエラを名乗ることになったのです。
 
 次回は、そんなミス・マヌエラが生きた上海の仇花・租界について解説します。
 
 
Part2はこちら
 
 
文・尾上そら
フリーランスの編集者・ライター。新聞や雑誌、書籍、映画や演劇のパンフレットなどで企画・編集・取材・執筆を手掛ける。演劇、ダンス、古典・伝統芸能まで幅広く取材。国内各地の舞台芸術にかかわる様々な人と事象を取材・記録している。
 
写真提供:遠田美沙

 

 
 
>東京公演チケットの購入はこちら
 

 
【公演情報】
PARCO PRODUCE 2023
「マヌエラ」
 
日程:2023年1月15日(日)~1月23日(月)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
 
脚本:鎌田敏夫 演出:千葉哲也
音楽:玉麻尚一 振付:本間憲一
出演:
珠城りょう、渡辺大、パックン(パックンマックン)、宮崎秋人、千葉哲也、宮川浩
岡田亮輔、齋藤かなこ、磯部莉菜子、松本和宜、馬場亮成、榎本成志、松谷嵐、横田剛基
伯鞘麗名、永石千尋、平井琴望、佐藤アンドレア、平山ひかる

作品ページへ

Attention

Attention

The following pages are about services provided for foreigners who live in Japan.
Foreigners who are not residents may not have access to all services.
Please agree after confirming the following items.

In the following pages, sections without English translations are displayed in Japanese. In such cases, please use a web translation service. Please note that our company is not responsible for the translations and that the translated pages are provided to customers for reference. Descriptions of our content and services conform to the original Japanese text.

Call center services are only available in Japanese. Please note that inquiries in other languages cannot be accommodated.
Please be aware that some of the services we offer may not be available to those living outside Japan

注意和確認

下一頁是外國人的服務。
對於外國非居民,我們將無法提供所有服務。
請確認並同意以下內容。

  • 後續翻譯頁面使用機器翻譯。 因此,翻譯頁面並不總是正確的。
  • 此外,我們對翻譯不承擔任何責任。
  • 翻譯頁面僅供參考,因此日語頁面的內容優先。
  • 呼叫中心僅提供日語服務。 請注意,我們無法回答日語以外的問題。
  • 我們提供的某些服務不適用於非居民。

注意和确认

此后的页面是为外国居民提供的服务。
对于外国非居民,我们将无法提供所有服务。
请确认以下内容并同意。

  • 后续翻译页面使用机器翻译。因此,翻译页面并不总是正确的。
  • 此外,我们不对翻译负责。
  • 翻译页面仅供参考,因此日语页面的内容优先。
  • 呼叫中心仅提供日语服务。请注意,我们无法回复日语以外的查询。
  • 我们公司提供的某些服务可能不适用于非居民。

주의 및 확인 사항

이 페이지는 외국인 거주자를 위한 서비스입니다.
외국인 비거주자 고객님의 경우 제공할 수 없는 서비스가 있습니다.
다음을 확인, 동의하신 후에 이용해주십시오.

  • 이 번역 페이지 내용은 기계 번역을 사용하고 있습니다. 따라서 번역 페이지는 반드시 올바른 내용이 아닐 수 있습니다.
  • 또한 당사는 번역의 결과에 대해 일체의 책임을지지 않습니다.
  • 번역 페이지는 어디까지나 참고를 위한 번역이며 기재된 내용은 일본어 페이지를 준수합니다.
  • 당사가 제공하는 서비스 중 일부는 비거주자 고객이 사용할 수없는 서비스도 있으므로 양해 바랍니다.

ATTENTION(日本語)

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.

Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.

Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur. Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum. Sed ut perspiciatis unde omnis iste natus error sit voluptatem accusantium doloremque laudantium, totam rem aperiam, eaque ipsa quae ab illo inventore veritatis et quasi architecto beatae vitae dicta sunt explicabo.

  • Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.
  • Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.
  • Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur.